YAMAHA NS-620
¥21,000(1台、1973年頃)
解説
NS-600シリーズ(NS-650、NS-630、NS-620)のスピーカーシステム。
NS-600シリーズはブックシェルフ型の原点に立ち帰ったシリーズで、"小型であっても大型システムに遜色のない高性能"を開発テーマとしてエンクロージャーの小型化とユニットの性能向上を図っています。
低域には16cmのコーン型ユニットであるJA-1601が採用されています
このユニットは小型密閉エンクロージャー用として低域再生能力と広帯域再生能力に留意して設計されています。振動系はコーン紙の材質を吟味することでムービングマスの軽減を図ると同時に大口径(42φ)ロングサイズ(コイル巻き幅20mm)の耐熱ボイスコイルを採用し、リニアな動作を保っています。
また、ボイスコイルの絶縁被膜には熱硬化性のポリエステルイミド樹脂を使用し、コイル接着剤にもエポキシ系樹脂を用いて耐熱性を強化することで過大入力への対応を図っています。
磁気回路には100φのフェライトマグネットを採用しています。
高域にはドーム型ツィーターであるJA-0508Aを搭載しています。
振動系に特殊なコーン紙を使用することでカットオフ周波数を低くとった設計となっています。また、前面ディフューザーによって指向特性の改善を実現しています。
ネットワーク部ではフェライトコア入りコイルを使用しています。
このコイルには1φのホリマール線を採用することでコイルの抵抗値をスピーカーインピーダンスの1/20以下(0.34Ω)に下げており、パワーロスを抑えつつ特性変化を少なくしています。また、コイルの相互インダクタンスを排除するため、コイルの取付けを互いに直角となるよう配列しています。
フロントバッフルに連続可変型のレベル・コントロールを搭載しています。
エンクロージャーはバッフル板厚18mmの完全密閉型で、共振を抑えたしっかりした作りとしています。
仕上げはウォールナット板目のオイルフィニッシュとなっています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:16cmコーン型(JA-1601) 高域用:ドーム型(JA-0508A) |
再生周波数帯域 | 60Hz~20kHz |
クロスオーバー周波数 | 3.5kHz(12dB/oct) |
最低共振周波数(fo) | 60Hz |
インピーダンス | 8Ω |
出力音圧レベル(新JIS) | 86dB/W/m |
最大許容入力 | 30W |
外形寸法 | 幅260x高さ460x奥行235.5mm |
重量 | 8.0kg |
当時の構成例:プレイヤー YP-700、ステレオレシーバー CR-700、スピーカーNS-620