YAMAHA NS-470
¥32,000(1台、1974年頃)
解説
これまでにヤマハが培った音の技術をまとめて開発されたブックシェルフ型スピーカーシステム。
低域には、コーンはパルプに特殊合成繊維を混入しハイエンドの分割振動を抑えた25cmコーン型ウーファー
JA-2503を搭載しています。
このユニットでは、高耐入力を実現するため、ボイスコイルは4層巻相当の耐熱線をエッジワイズ巻にし、さらに接着剤なども耐熱性に優れたものを採用しています。さらに、センターポールには銅キャップを装着することでインピーダンスの上昇と中音域での歪の発生を抑えてます。
高域には4.5cmソフトドーム型トゥイーターであるJA-0511を搭載しています。
このユニットの振動板には、NS-690、NS-670と同じく、振動板には熱硬化性樹脂と粘弾性ゴム系樹脂を2重コーティングした素材を採用し、分割振動などを吸収しつつ使用帯域で充分な剛性を得ています。このコーティング処理された素材はタンジェンシャルエッジと共に熱板プレスで一体成型され、さらにアウターポールには穴を貫通させエッジ部の空気を逃がしエッジの動きをスムーズにしてリニアリティを高めています。
また、磁気回路には耐熱線ボイスコイルやFRPボビンを採用しています。
各ユニットのフレームにはアルミダイキャストを採用する事で、共振による音質劣化を防いでいます。
ネットワーク部は定数決定に特性チェックと試聴を繰り返して設計されています。
また、トゥイーター用にレベルコントローラーを設けています。
エンクロージャーは高密度パーティクルボードによる密閉構造で、内部に念入りな補強と充填材を入れることで音のこもりや共振を排除しています。
また、仕上げはキャストール(栓)の仕上げとなっています。
ネットグリルは写真のマルベリーレッドのほか、プルネラブルー、ジャンカスグリーンの3種類がありました。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:25cmコーン型(JA-2503) 高域用:4.5cmドーム型(JA-0510) |
再生周波数帯域 | 50Hz~20kHz |
最低共振周波数(fo) | 50Hz |
クロスオーバー周波数 | 2kHz、12dB/oct |
出力音圧レベル | 90dB/W/m(新JIS) |
最大許容入力 | 60W |
外形寸法 | 幅300x高さ577x奥行279mm |
重量 | 14kg |