YAMAHA NS-10M PRO
¥55,000(2台1組、1987年発売)
解説
NS-10Mをベースに、デジタル再生に向けてリファインされたプロ仕様のモニタースピーカーシステム。
NS-10MXとNS-10MPROは、防磁磁気回路と内部の配線材やトゥイーター周辺以外は設計が共通しており、大型スピーカーターミナルやネットワークは同じ設計となっています。
低域には18cmのコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板にはシート製法による白いコーンを採用しています。このコーン紙は、外国産の針葉樹系の原材料を旧来の和紙系統の技術を加味して特殊処理することで、ピストン領域が広くて振動の明快なコニカルタイプのストレートコーンに仕上げられています。これにより、3.7gの軽量タイプを実現するとともに、シート製法によって密度や厚さのムラが少なく腰の強いコーンを実現しています。
また、耐熱銅リボン線をエッジワイズ巻したボイスコイルや軽量ボイスコイルボビン採用などによる高能率・高耐入力と、フレキシブルで経年変化も少ないハイコンプライアンス・ロールエッジを採用することでより高品位なものとなっています。
高域には3.5cmソフトドーム型トゥイーターを搭載しています。
振動板には粘弾性樹脂と熱硬化性樹脂の2種類を均一にコーティングしたものを採用しており、センター保持能力に優れたタンジェンシャルエッジごとドーム型に一体成型しています。これによりエッジを含めて0.6gという軽量化を実現しており、パルシブな入力にも強く、ハイトランジェントな特性を実現しています。
また、ユニットにアコースティックアブソーバーを装備することで低域と高域のバランスをデジタルソースにも対応するよう設定し、近距離モニターでも聴きやすい高域再生を実現しています。
ユニットの固定には6角ナットを使用してます。
エンクロージャーにはアメリカ・ウェアハウザー社のパーチクルボードを採用しています。板厚はバッフル面は15mm、天板・側板・底板は12mm厚となっており、6面一体構造で組み上げられています。また、試聴を重ねて決定した接合方法や特殊接着剤を採用することで高音質化を図っています。
外装には樺のリアルウッドを使用しており、NS-1000Mと同じ7工程塗装による黒の半艶仕上げとなっています。
極太のスピーカーコードに対応するため大型スピーカーターミナルを採用しており、伝送ロスを低減しています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:18cmコーン型 高域用:3.5cmドーム型 |
再生周波数帯域 | 60Hz~20kHz |
クロスオーバー周波数 | 2kHz(-12dB/oct) |
出力音圧レベル | 90dB/W/m |
インピーダンス | 8Ω |
許容入力 | 60W |
ミュージック許容入力 | 120W |
外形寸法 | 幅215x高さ382x奥行199mm |
重量 | 6kg |
付属 | スピーカーコード(4m) |
別売 | スピーカースタンド SPS-1(2台1組、¥35,000) |