YAMAHA YP-D9
¥75,000(1978年頃)
解説
YP-D10からサイレント・エンディング機構とピッチコントローラの2つを排除した以外はほぼ同一構成のレコードプレイヤー。
駆動部には1.2kg・cmの起動トルクを持つDCモーターによるダイレクトドライブ方式を採用しています。
サーボ機構には、正確な回転速度検出力を持つUltra Detector、FG(周波数発電機)サーボ回路を使用し、さらにクォーツPLLサーボ回路を導入することでターンテーブルの回転精度を高めています。
ターンテーブルには精密なダイナミックバランスが取られた直径31.5cmのアルミダイキャスト製ターンテーブルを採用しています。このターンテーブルは、外周に質量を寄せてあるため慣性質量は360kg・cm2と高くなっており、PLLサーボの効かなくなる高い周波数の過渡的負荷変動に対しても正確さが維持されます。
電源部には1000mAの大容量の電流を取り出して24Vの定電圧を維持できる強力なものを採用しています。
また、電源部に三重構造シールドをするとともに、トランスの防振対策にも留意することでSN比を向上させています。
トーンアームは、クロムモリブデン鋼を研磨仕上げしたピボットによるジンバルサポート方式となっており、水平・垂直初動感度3mg以下という特殊アルミ合金製S字型パイプアームが採用されています。さらに、ヘッドシェルも特殊アルミ合金のダイキャスト製を採用することで十分な強度と軽量性を得ています。
また、6mmストロークのアームハイト調整機構によって様々なカートリッジにも対応しています。
インサイドフォースキャンセラはローラストリング・カウンタウェイト方式で高精度化されています。
カートリッジからピンプラグまでは、抵抗値が0.71ΩのNEGLEX低インピーダンスケーブルを採用しており、接触不良防止のため金メッキ処理が施されています。
キャビネットは高密度パーティクルボード積層の64mm厚ソリッドタイプを採用しており、内外の振動を抑えています。また、アームスタンド・アームベースは1kgの亜鉛ダイキャスト製となっています。
インシュレーターにはダブルダンピング方式を採用しています。
仕上げはソロモンウォール柾目塩ビ化粧仕上げが施されています。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
モーター | 12極24スロットDCホールモーター |
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
ターンテーブル | 31.5cmアルミダイキャスト、2.6kg |
ワウフラッター(WRMS) | 0.03%以下 |
SN比 | 62dB以上 |
トーンアーム | S字型スタティックバランスジンバルサポートアーム |
取付カートリッジ自重範囲 | 3g~16g |
アンチスケータ | ローラストリングカウンタウェイト方式 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力 | 5W |
外形寸法 | 幅470x高さ158x奥行378mm |
重量 | 15kg |