YAMAHA YP-D7
¥58,000(1978年頃)
解説
正確な回転と高感度と有害振動の遮断性という3つのポイントを重視して開発されたダイレクトドライブプレイヤー。
駆動部には1kg・cmの起動トルクを持つDCホールモーターを採用しています。
さらに新開発のFG(周波数制御)サーボ回路の採用する事でサーボ回路の精度と応答速度を高め、動的な負荷変動に対しても素早いレスポンスを得ています。
ターンテーブルには、鋳型の段階から正確にダイナミックバランスをとった30cmアルミダイキャスト製ターンテーブルを採用しています。
このターンテーブルは外周の厚さを多くとる事でゴムシートを含めた慣性質量は270kg・cm2を実現しています。
電源部は、800mAの出力電流が流れても24Vの電圧を維持する定電圧フィードバック回路付の電源回路を採用しています。
トーンアームには新設計されたものを採用したアルミ製S字型パイプアームを採用しています。このアームのパイプ中には特殊充填材を詰め込まれており、パイプの共振による音質劣化を防いでいます。
また、高感度を実現するためジンバルサポート方式は回転軸を垂直・水平動のための二重構造としており、ピボットで正確に保持する事で高い感度を実現しています。さらにピボットには高硬度で接触の滑らかなクロムモリブデン鋼を十分に研磨仕上げしたものを採用しており、保持能力の高精度化と耐久性向上を実現し、水平・垂直方向ともに3mgという初動感度を示す高感度を得ています。
インサイドフォースキャンセラにはカウンタウェイト方式を採用しており、針圧に応じて微細な調整が可能です。また、キューイングレバーはオイルダンプ方式を採用しています。
配線材には極めて細くしなやかな特殊リード線を使用しており、アームの高感度化を妨げないよう配慮がされています。
ヘッドシェルにはマグネシウム素材を採用することで軽量化を図っています。マグネシウムのヤング率はアルミの60%ですが、軽い分だけ肉厚化が可能となり、アルミニウムの1.5倍の高剛性を実現しています。
6mmストロークのエレベーションリング回転式アームハイト調整機構を搭載しており、市販カートリッジの殆どに対応しています。
この機構はタイトロック式なため、調整後は点ではなく面で固定し、振動に強い構造となっています。
キャビネットはNS-690IIの素材と同じ針葉樹系高密度パーティクルボードを積層した構造となっています。
また、アームスタンド・アームベースは1kgの亜鉛ダイキャスト製でアームの根元からしっかり固定しています。
インシュレーターには新しい材質で二重構造のものを採用しています。
ダストカバーにはアクリルスチロール製のものを採用しています。
機種の定格
| 型式 | レコードプレイヤー |
| <ターンテーブル部> | |
| モーター | 12極24スロットFGサーボDCホールモーター |
| 駆動方式 | ダイレクトドライブ |
| ターンテーブル | 30cmアルミダイキャスト、1.6kg |
| ワウフラッター(WRMS) | 0.03%以下 |
| SN比 | 62dB以上 |
| 回転数調整 | ±3% |
| 回転数 | 33・1/3、45rpm |
| <トーンアーム部> | |
| トーンアーム | S字型スタティックバランスジンバルサポートアーム |
| アーム実効長 | 232mm |
| オーバーハング | 16.0mm |
| アームスタンド・ベース | 亜鉛ダイキャスト製 1kg |
| アームエレベーション | ±3mm |
| アンチスケータ | ローラストリングカウンタウェイト方式 |
| アームリフタ | オイルダンプ方式 |
| ヘッドシェル | マグネシウムダイキャスト製、11g |
| 取付カートリッジ自重範囲 | 2g~16g |
| <ボディ部> | |
| ボディ形式 | ソリッドボード |
| ボディ材質 | 高密度針葉樹系パーティクルボード |
| 仕上げ | 黒塗装 |
| ダストカバー | アクリルスチロール樹脂製 |
| ヒンジ | フリーストップ着脱可能 |
| インシュレーター | 高さ調整可能2段式 |
| <総合> | |
| 電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
| 定格消費電力 | 5W |
| 外形寸法 | 幅470x高さ155x奥行378mm |
| 重量 | 14kg |
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