YAMAHA YP-700/YP-700C
YP-700:¥49,000(1973年頃)
YP-700C:¥55,000(1974年頃)
解説
ヤマハが誇る、精度の高い加工技術によって開発されたレコードプレイヤー。
メカニズム部は、30cmアルミダイキャストターンテーブルとシンクロナス型アウターローターモーターを使用したベルトドライブ方式を採用してます。
また、不要な振動を低減するため、プレイヤーメカニズム全体をヤマハ独自のダブルフロートサスペンション方式で懸架しています。この方式は、ターンテーブルとトーンアームを一体化してプレイヤーパネルから浮かせ、さらにモーター部も浮かした2重の懸架機構となっており、外部振動やモーター振動などを遮断しています。
アームには共振の無いしっかりした構造をもつ軽合金S字型のパイプアームを採用しており、トラッキングエラーが少なく、水平動・上下動とも鋭い感度を持つトレーシングアビリティの高い設計となっています。また、直読式針圧調整や、重量級カートリッジ用のサブウェイトも付属してます。
さらに、トーンアーム軸を中心とした左右の平衡バランス用のラテラルウェイト、インサイドフォースをキャンセルする糸吊り式アンチスケーターも備えています。
ヘッドシェルは国際規格のプラグイン交換方式を採用しています。このヘッドシェルの接点には金メッキが施されており、接触不良を抑えています。
カートリッジにはMC型のシュアーM75シリーズが採用されています。
カートリッジの正しいオーバーハングを指示するオーバーハング指示ランプが設けられています。
これにより、カートリッジを交換しても針先をこの指示ランプに合わせれば、正しいオーバーハングが得られます。
操作性を向上するためオート機構を搭載しています。
この機構はマニュアルとオートの良い点をミックスしたメカニズムで、PlayとOffの二つの機能を兼ねるスイッチだけの操作でオートスタート、オートカットができ、マニュアルスタートも可能です。
レコード演奏の一時中断や中途箇所からの再演奏が行えるキューイング機構が組み込まれています。
シリコン油圧シリンダーによる緩やかな動作により、レコードが傷つくのを防止しています。
キャビネットの仕上げは2種類あり、ブラジリアン・ローズウッド仕上げのYP-700と、ヤマハのニューライン・コンポと統一したキャストール(栓)オープンポア仕上げのYP-700Cの2種類がありました。
また、アクリルカバーは自由な角度で固定できるフリーヒンジ方式で、YP-700Cではアクリルカバーの着脱も可能となっています。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
<フォノモーター部> | |
モーター | アウターローター型シンクロナス |
ターンテーブル | 30cmアルミダイキャスト |
回転数 | 33 1/3、45rpm |
駆動方式 | ベルトドライブ |
支持方式 | ダブルフロートサスペンション |
ワウフラッター | 0.05%以下(WRMS) |
SN比 | 50dB以上(5cm/sec、1kHz) |
<トーンアーム部> | |
トーンアーム | S字型スタティックバランスユニバーサルタイプ |
トラッキングエラー角 | 最大1゜ |
全長 | 295mm(サブウェイト 20mm) |
実効長 | 222mm |
オーバーハング | 17mm |
ヘッドシェル | 脱着可カートリッジ取付EIA |
取付けカートリッジ自重 | 3g~13g |
針圧調整機構 | 直読方式0g~4g、0.5gステップ |
<カートリッジ部> | |
カートリッジ | MM型(シュアーM75MB type2) |
針先 | 0.6milダイアモンド |
交換針 | シュアーN75B TypeII |
適正針圧 | 2.0g |
最適負荷抵抗 | 47kΩ |
出力電圧 | 4mV |
<総合> | |
付属機構 | オートリターン オートカット キューイングレバー オーバーハング表示兼用パイロットランプ |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 15W |
外形寸法 | YP-700:幅480x高さ161x奥行410mm YP-700C:幅480x高さ166x奥行396mm |
重量 | 9.2kg |