YAMAHA YP-511
¥43,800(1975年頃)
解説
要所となる部分の重量を増やす事で振動による悪影響の低減を図ったレコードプレイヤー。
モーターには大きなトルクを持った8極24スロットDCサーボモーターを搭載しています。
さらにサーボ回路のレスポンスを早くするなどの改良によって負荷変動に対しても正確な回転数の維持を可能にしています。
ターンテーブルには、精密金属加工技術によって鋳型から精密にダイナミックバランスのとられた1.6kgのアルミダイキャストターンテーブルを採用しています。
このターンテーブルは、重量分布を外周によせて、回転時の実質上の重量を増大させ、慣性質量220kg・cm2という値を実現しています。
さらに、ターンテーブルゴムシートも厳密なヒアリングテストによって音の良い素材や形状を決定しています。
アームベースに鉛合金ダイキャスト製の1.3kgのアームベースを採用しており、アームの足元をしっかりと固定する事で有害な不要振動を防ぎ、再生音への悪影響を抑えています。
アームには、ねじれに強い軽合金製のパイプに特殊な充填材をつめたものを採用し、パイプ自体の共振を抑えています。
また、回転軸受部分のメインシャフトと針圧印加用の重りのついたウェイトシャフトはゴムダンパーを介して接続し、さらに軸受けのベアリングケースとメインシャフトもゴムダンパーを介して接続しています。そして、メインシャフトも通常多く使われるアルミパイプを排し、真鍮の削り出しの物にすることで共振を低減するなど、徹底した防振対策が施されています。
アームの回転部には特別にセレクトしたアンギュラコンタクト・ベアリングを採用し、水平方向と垂直方向の荷重を等しく受けられるようにしています。
インサイドフォース(レコード内周方向への力)を打消すインサイドフォースキャンセラは針圧に対応してアジャストできるダイヤル直読式となっています。
さらに、アームリフタには、シリコンオイルの油圧によってアームの昇降がスムースにできる、オイルダンプキューイングを採用しています。
カートリッジにはMM型カートリッジとして、SHURE社のM75BMを標準装備しています。
キャビネットには、高密度で比重の高いパーティクルボードを48mm厚で使用したソリッドタイプを採用しています。また、仕上げはアメリカンウォルナットのダップ化粧仕上げとなっています。
フリーストップヒンジ付のダストカバーを採用しています。
スピードコントロール・ストロボスコープを搭載しており、33・1/3、45回転ともに独立して6%の速度微調整が可能です。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
<ターンテーブル部> | |
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
モーター | 8極24スロットDCサーボモーター |
ターンテーブル | 30cmアルミダイキャスト製、1.6kg |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
SN比 | 60dB以上 |
ワウフラッター | 0.04%以下(WRMS) |
<トーンアーム部> | |
型式 | S字型スタティックバランス方式 |
実効長 | 222mm |
オーバーハング | 17mm |
針圧調整機構 | 直読式、0~3g(0.5gステップ目盛) |
取付カートリッジ自重 | 4g~13g |
ヘッドシェル | 交換可能、EIA規格 |
アンチスケータ | 直読目盛式 |
<カートリッジ部> | |
型式 | MM型、SHURE M75BM |
交換針 | SHURE N-75-6(¥5,800) |
適正針圧 | 2.5g |
最適負荷抵抗 | 47kΩ |
出力電圧 | 4mV |
<総合> | |
定格電源電圧・周波数 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力 | 2.5W(60Hz) 3W(50Hz) |
外形寸法 | 幅470x高さ143x奥行378mm |
重量 | 11.5kg |