YAMAHA YP-1000II
¥150,000(1976年頃)
解説
選りすぐられたパーツとヤマハのプレイヤー技術を結集して作り上げたダイレクトドライブプレイヤーシステム。
モーターには20極60スロットという多極でトルクの大きいDCサーボモーターを採用しています。
回転数の制御は、位置検出コイルに回転数に比例して誘起される交流電圧を整流し、別設定の基準電圧と差動増幅回路からなる誤差比較回路で比較し、スイッチング回路に供給する電圧を制御する方式となっています。
ターンテーブルは直径31cm自重2.8kgのものを採用しており、厚いアルミの一枚板を高い加工精度で削り出してダイナミックバランスの正確にとられたものとしています。このターンテーブルは質量を外周に寄せてあるため慣性質量380kg・cm2と十分に大きな値で、負荷変動に対しても正確な回転を維持しています。
電源トランスには厳重なシールドを施し、振動による悪影響を抑えています。
トーンアームにはスタックス社製のUA-7を採用しています。
精密ピボットによるワンポイントサポートとボールベアリングを使ったスタビライザを組合わせた方式で、50μφの細いリード線の摩擦抵抗を含めて初動感度5mgという高感度で、針圧1gでもトレースする能力を持っています。
また、カウンター・バー&ローラアーム方式によるインサイドフォースキャンセラーを採用し、それぞれの針圧に応じたキャンセル量が得られます。
針圧調整はダブルウェイト方式で針圧直読式になっていて正確な針圧調整が可能です。
ヘッドシェルには共振・捻れに強いテーパードリブつき軽合金ダイキャスト製を採用しており、8mmのオーバーハング調整及びカートリッジ左右傾き角度の調整も可能です。
キャビネットは板厚15mmで補強材を加えられた木部と、肉厚のアルミダイキャスト製デッキパネルを接合した構造となっています。また、DDモーターの底部は厚いダンパー材により底蓋とダンプされており、微少振動を吸収しています。キャビネットの底板もリブ加工を施したパンチングメタルを使って共振を抑えています。
水平調整の可能な大型インシュレーターを採用しています。
アクリルのダストカバーは外部からのハウリング防止のため、厚みのある重量の大きな成型品を採用しています。
仕上げは黒檀オープンポア仕上げが施されています。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
モーター | 20極60スロットDCサーボモーター |
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
ターンテーブル | 31cmアルミダイキャスト、2.8kg |
ワウフラッター(WRMS) | 0.03%以下 |
SN比 | 60dB以上 |
回転数調整 | ±6% |
トーンアーム | STAX UA-7 S字型パイプアーム |
取付カートリッジ自重範囲 | 2.5g~27g |
アンチスケータ | カウンターバー&ローラーアーム方式 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力 | 10W |
外形寸法 | 幅481x高さ175x奥行371mm |
重量 | 13.7kg |