
YAMAHA TC-800GL
¥75,000(1976年発売)
解説
世界的な工業デザイナーであるマリオ・ベリーニ氏を起用して開発されたカセットデッキ。
TC-800GLはベリーにアングルと呼ばれる独特のフォルムを採用しており、目の高さに置いても真上から見下ろしても全ての操作部の文字や目盛り、レベルメーター、テープ走行状態が確認できます。
また、裏面の収納式フラップを畳むことでよりコンパクトに持ち運べます。
メカニズム部のキャプスタン軸には高精度下降が施されており、キャプスタン軸の真円精度を0.1ミクロンオーダーで仕上げることによって回転ムラを極小にとどめています。
ヘッドにはスーパーハードパーマロイヘッドを採用しています。
このヘッドには磁気ヘッド素材として定評のあるパーマロイを用いるとともに耐摩耗性をフェライト並に向上させています。さらにヘッド形状の研究によって低域特性のうねり(コンターエフェクト)が改善されています。
大型レベルメーターを搭載しています。
また、TC-800GLでは指針によるチェックとは別に、緑-3dB(標準レベル)、赤+4dB(ピークレベル)に設定された2つのピークレベルインジケーターを左右独立で備えており、左右チャンネルのピークレベルを監視しやすくなっています。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーNRを搭載しています。
また、不意の大入力に備えてリミッター機能も搭載しています。
テープセレクタースイッチを搭載しており、各種テープへの対応を図っています。
マイクとラインを独立させたスライドボリュームを採用しており、ラインとマイクのミキシング録音が可能です。
スライド式のピッチコントロール機能を搭載しており、再生時のピッチを±3%調整できます。
IC-OTL回路のヘッドホンアンプを採用しており、ハイインピーダンスヘッドホンにも対応しています。
留守録音機能を搭載しており、外部タイマーと組み合わせることで留守録音が可能です。
留守録音セット時はメカに無理がかからないよう設計されています。
3電源方式を採用しており、AC100V、乾電池、カーバッテリーも使えるDC12Vに対応しています。
ボディには軽量・耐久性を追求するためABS樹脂を採用しています。
カラーバリエーションとしてブラックとアイボリーの2色のバリエーションがありました。
別売りオプションとしてキャリーバックがありました。
機種の定格
型式 | カセットデッキ |
ワウフラッター | 0.057%以下(JIS-WRMS) 0.2%以下(DIN-WTD) |
テープ速度 | 4.8cm/sec |
速度偏差 | ±1.0%以下 |
ピッチコントロール | ±3% |
早巻き時間 | 80秒以内(C-60) |
録音周波数特性 | 30Hz~13kHz(LH) 30Hz~15kHz(CrO2、FeCr) |
入力感度/インピーダンス | Line:50mV/50kΩ Mic:0.5mV/10kΩ |
SN比 | 50dB以上(DIN、0dB) 58dB以上(Dolby on) |
総合歪率 | 1.5%以下(1kHz 0VU、FeCr) |
バイアス周波数 | 85kHz |
チャンネルセパレーション | 30dB以上 |
出力 | Line:0.4V(0VU) Phones:1mW(8Ω) 3mW(150Ω) |
レベルメーター | -40dB~+6dB(ワイド) |
機能 | リミッター録音 Mic-Lineミキシング デュアルピークインジケーター 留守録音 テープセレクター フルオートストップ機構 メモリーストップ機構 ハイインピーダンスヘッドホン |
使用半導体 | トランジスタ:45個 IC:6個 ダイオード:38個 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz 乾電池(単2x9本) DC12V(カーバッテリー対応) |
消費電力 | 16W(AC) 7W(DC12V) |
外形寸法 | 幅312x高さ98(150)x奥行312mm |
重量 | 5.0kg(乾電池別) |
別売 | キャリーバック KS-800(¥7,000) |