YAMAHA KX-T900
¥89,800(1988年発売)
解説
ドルビーB・C NR、ドルビーHXプロを搭載したツインリバースカセットデッキ。
完全独立のツイン・リバースデッキなので、独立したデッキ2台分としての使用や、デッキ1/2連動のリレー録再・ダビング等の操作が可能です。
ドルビーHXプロをデッキ1/2のそれぞれに独立して搭載しています。
ドルビーHXプロでは、録音信号の高域レベルの強さに合わせてバイアス量を自動調整しており、テープの種類やノイズリダクションのオンオフに関係なく最適なテープ録音が可能です。
ノイズリダクションシステムは、ドルビーB/C NRをデッキ1/2のそれぞれに独立して搭載しています。
これにより、両デッキ部を同時使用している時でも使い分けができ、さらにダビング編集時にはドルビーCで録音したテープをドルビーBで編集するクロスドルビーダビングが可能です。
バイアス周波数には、従来の105kHzの倍の210kHzハイバイアスを採用しています。
これによりオーディオ信号とバイアスが十分に離れるため、相互の信号が干渉し合うことで発生するビート歪や混変調ノイズを低減しています。また、CDダビング時に問題となるサンプリング周波数の影響も排除しています。
また、倍速ダビング時はオーディオ信号は2倍のピッチとなりますが、この場合もハイバイアスによってダイナミックレンジや周波数特性の良い録音が可能です。
デッキ2からデッキ1へのダビング編集が可能です。
フルオートダビングでは、カセットのA面とB面の頭を揃え、同一の内容をダビングします。また、スキップダビングでは15秒以上の無録音部分をつめてダビングします。さらに、ランダムプログラムダビングでは好みの曲を好みの順でダビングできます。マニュアルダビングでは、レックポーズやミュートを用いて編集しながらダビングができます。
これらのダビング編集に加え、定速と倍速の2スピードが選択できます。
15曲ランダムプログラム再生が可能です。この機能ではデッキ1/2それぞれの曲を混ぜて再生することもできます。
また、リバースモードはデッキ1/2それぞれ独立となっており、片道、1回往復、8回往復の3モードが選択できます。
ヘッドには磁気損失の少ないアモルファス12枚ラミネートヘッドを採用しており、電流効率を高めることによって優れた音質を獲得しています。また、ヘッド巻線には信号損失が極めて少ないLC-OFC(線形結晶無酸素銅)を採用し、さらなる高音質化を図っています。
10キーを使用することで前後99曲以内のダイレクト選曲が可能です。
曲の冒頭を約14秒ずつ次々に再生するイントロスキャン機能を搭載しています。
テープ長切換え機能付きのリニアカウンターを搭載しています。
マイコンを内蔵することで、テープの長さに合わせた高精度な走行時間表示が可能となっています。また、録再時にはリメイニング時間を表示することもできます。
ブランクスキップ機能を搭載しており、無録音部分が15秒以上続く場合には、自動的に次の曲まで送って再生できます。
外部タイマーと組合わせることで留守録音や目覚まし再生が可能です。
チタンとブラックの2種類のカラーバリエーションがありました。
また、それぞれのカラーに対応したワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | カセットデッキ |
基本形式 | 録再クイックオートリバース+録再クイックオートリバース |
モーター(デッキ1/2) | キャプスタン用:電子ガバナーDCモーター リール用:フラットトルクDCモーター |
ヘッド(デッキ1/2) | 録再:アモルファスヘッド 消去:ダブルギャップフェライト |
ノイズリダクションシステム | ドルビーB/C NR(デッキ1/2) |
バイアス調整(デッキ1/2) | ドルビーHXプロ |
ワウフラッター(デッキ1/2) | ±0.08%以下(W.Peak、EIAJ) 0.05%以下(W.RMS、JIS) |
周波数特性 (デッキ1/2、EIAJ) |
20Hz~17kHz ±3dB(ノーマル) 20Hz~19kHz ±3dB(クローム) 20Hz~20kHz ±3dB(メタル) |
S/N比(デッキ1/2、EIAJ) | 56dB(NR off) 64dB(Dolby B on) 72dB(Dolby C on) |
歪率(デッキ1/2) | 1.0%以下 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 26W |
外形寸法 | 幅435x高さ141x奥行305mm |
重量 | 7.0kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |