YAMAHA K-650
¥64,800(1987年頃)
解説
ドルビーHXプロや2モードタイマーを搭載したリバースデッキ。
セットした時間に1回作動するONCEと、一旦セットすると毎日同じ時間に作動するEVERYの2種類が選択できる2モードタイマーを搭載しています。
録再ヘッドには、12枚ラミネート構成のアモルファスヘッドを採用しています。
アモルファスは非結晶のため比抵抗が大きく、磁気損失が少ないという特徴を持っています。また、透磁率や飽和磁束密度も高いため音の歪が少なく、耐摩耗性に優れています。このアモルファスを12枚ラミネート構成とすることで渦電流損失を低減しています。
さらに、巻線にOFC線を使うとともにローインピーダンス化(320Ω、1kHz)しており、高域特性やダイナミックレンジの広いソースにも対応しています。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーB/Cを搭載しています。
バイアスを自動調整することで特性の劣化を防ぐドルビーHX-PROを搭載しています。
ドルビーHX-PROは動的バイアスが一定になるように働くことで、感度変化による周波数特性の変化を大きく低減しています。さらに、動作は左右完全独立でそれぞれに最的なバイアスサーボを行っています。
ドルビーHXプロは録音時だけ動作するため、録音したテープは他のデッキでも再生が可能です。
トラッキングレギュレーターによる±電源を採用することで、電源電流がアースラインに流れ込まず、信号系に余分なノイズが乗るのを防いでいます。
再生アンプ部にはヤマハ独自のピュアカレントダム方式を採用しています。
ピュアカレントダムは電源から常に一定の電流がアンプに供給される方式で、アースラインや電源ラインに信号電流が流れ込むことがなく、綺麗な電源電流が得られます。これにより、アースラインや電源ラインに不可避的に存在するノンリニアや、電源内部のノンリニアの悪影響を受けることがありません。
また、録音アンプにはローノイズオペアンプを使用し、さらに±電源を採用したことで、ダイナミックレンジの広い録音を可能にしています。
メカニズム部には2+1モーターセパレートドライブ方式を採用しています。
2モードリメイニングタイム表示により、未録音部か任意の位置からのテープ残量を表示できます。
オートフェードイン/アウト機能を搭載しています。この機能では、テープエンドで自動的にフェードアウトし、クイックリバースした直後に自動的にフェードインします。
ワンタッチでフェードイン/アウトが作れるオートフェーダーを搭載しています。
曲の頭を15秒づつ次々に再生するイントロスキャン機能を搭載しています。
15秒以上のブランクがあると自動的に次の曲まで早送りして再生するブランクスキップ機能を搭載しています。
設定した位置まで早送り、巻戻しを行い停止するメモリーストップ機能を搭載しています。
カウンター0とメモリーカウンターの間を最大8回まで繰り返し再生できるリピート機能を搭載しています。
ヘッドの使用時間を自動的に積算表示するメンテナンスモニター機能を搭載しています(40時間まで表示)
2色12セグメントピークレベルメーターを搭載しています。
機種の定格
型式 | カセットデッキ |
テープ録再方式 | オートリバースステレオ |
ヘッド | 録再:アモルファス 消去:ダブルギャップフェライト 録再・消去一体型マウントロータリータイプ |
モーター | キャプスタン用:DCサーボモーター リール用:フラットトルクDCモーター アシスト用:DCモーター |
ワウフラッター | 0.05%以下(JIS、W.RMS) |
SN比 | 72dB(ドルビーC on) |
周波数特性 | 20Hz~17kHz ±3dB(ノーマル) 20Hz~19kHz ±3dB(クローム) 20Hz~20kHz ±3dB(メタル) |
総合歪率 | 1% |
チャンネルセパレーション | 40dB |
メーター | 2色12セグメントピークレベルメーター(-20dB~+12dB) |
入力感度/インピーダンス | Line:50mV/47kΩ Mic:0.3mV/5kΩ |
出力レベル/インピーダンス | Line:360mV/1.5kΩ Headphone:0.3mW/8Ω |
消費電力 | 18W |
外形寸法 | 幅435x高さ114x奥行303mm |
重量 | 5.2kg |