YAMAHA CD-2000/CD-2000W
CD-2000:¥150,000(1985年発売)
CD-2000W:¥158,000(1985年発売)
解説
新時代のリファレンス機として開発されたCDプレイヤー。
従来より微細化し、2μmルールにすることで回路の集積度を上げた新設計のLSIを採用しています。
デジタルフィルター組込みの信号処理用LSIはN-MOSタイプで、インターリーブ復調、誤り検出、誤り訂正などを含む各種デジタル信号処理を一つにまとめた構造となっています。
また、サーボコントロール用LSIは、高速処理が可能で消費電力の少ないC-MOSタイプとなっており、光ヘッドを含む各種サーボコントロールをはじめ、EFM信号やサブコードの復調といった信号処理を行い、外乱等の影響を排除して高信頼のディスク制御を叶にしています。
CD-2000では、LSIに組み込まれたデジタルフィルターを用いずに、高精度な左右独立の2倍オーバーサンプリングデジタルフィルタを別途に搭載しています。これによりリップルは±0.00025dB以下、残留成分は-90dB以下に抑えられており、パルス的な入力に対して音を濁すエコーの発生を少なく抑えています。
また、アナログローパスフィルターは5次バターワース型アクティブフィルタで構成されており、位相特性の急峻な変化を抑えて素直な特性を獲得しています。また、アナログローパスフィルターには良質のコンデンサを厳選して使用しています。
光ヘッド部のアクチュエーターには、フォーカス方向とトラッキング方向のそれぞれのバネがクロス配置となる構造を採用することで、微小振動を遮断しています。
また、対物レンズには球面タイプを採用しており、±0.2ミクロン精度のトレース能力を誇る3ビーム方式と相まって、データ読取り能力を高めています。
光ヘッド&モーター部や電源部から発生する微小振動による悪影響がオーディオ回路部に及ぶのを防ぐため、独自のVMA(振動変調解析法)によって開発されたVMスタビライザを搭載しています。
VMスタビライザでは、PCボードのオーディオ回路部を頑丈に固定することで、駆動メカニズム部から発生する振動や、電源トランス等の振動がオーディオ部に進入するのを防いでいます。また、VMスタビライザはオーディオ基板の裏面を覆うようになっており、空間を伝播するノイズからのシールド効果も得ています。
筐体の剛性を高めるため、底板のプレートに加えて基板部のベースにもう1枚のプレートを重ね合わせた2重構造のダブルボトムを採用しています。さらに、4つの脚部には重りを加えた大型のヘビーインシュレーターを採用sいています。
電源部には大型電源トランスとオーディオ用大容量コンデンサを搭載しています。さらに、バスバーや電源用ジャンパーコードを採用することで、強力で低インピーダンスな電源部を構成しています。
6桁のFL管ディスプレイを採用しています。
固定と可変の2系統の出力端子を搭載しています。
ブラックモデルのCD-2000と、シルバーヘアライン仕上げのフロントパネルと鏡面仕上げのリアルウォルナットを採用した豪華バージョンのCD-2000Wの2種類がありました。
また、それぞれのカラーに合わせたワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
光ヘッド | 3ビームレーザー・バネ型 |
フィルター | 左右独立デジタルフィルター 5次アナログ・バターワース型アクティブフィルター |
周波数特性 | 2Hz~20kHz ±0.3dB |
高調波歪率 | 0.0025%(1kHz、EIAJ) |
SN比 | 102dB(EIAJ) |
ダイナミックレンジ | 97dB(EIAJ) |
チャンネルセパレーション | 95dB(1kHz) |
ワウフラッター | 測定限界以下 |
出力電圧 | Fixed:2Vrms Variable:0~5Vrms |
機能 | 12曲ランダムプログラム インデックスサーチ リピート(全曲・プログラム曲・A-B間) |
外形寸法 | CD-2000:幅435x高さ100x奥行290mm CD-2000W:幅473x高さ100x奥行290mm |
重量 | 8.0kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |