YAMAHA MC-5
¥25,000(1980年頃)
解説
ベリリウム・テーパードパイプ・カンチレバーを採用したMC型カートリッジ。
カンチレバーには、ヤマハ独自の電子ビーム真空蒸着法により実現した高純度ベリリウム・テーパードパイプ・カンチレバーを採用しています。これによりカンチレバー単体で0.096mg、振動系トータルでも0.167mgという優れた等価質量を実現しています。
ダンパー部には新開発のEqualizing Damperを採用しています。
このダンパーは、アーマチュアのV方向の上の部分と接する面に意識的に段を設けた構造となっており、実際に針圧(1.2g)が印加された時に初めて振動系の重心が張り先と振動支点を結ぶ一直線上にくるようにカンチレバーをコントロールしています。これにより、振動系動作を明確化し、さらに、この段の働きによりV方向のコンプライアンスを適度に制御し、レコードのソリなどからの悪影響を抑えています。
また、この新開発ダンパーは段をつけて厚さと形状に変化をもたせたことで、低域再生に必要な接触面積を広くするという条件と、高域再生のために接触面積が小さく薄くするという条件の両方を満たし、全周波数にわたって均一なスペクトル・バランスを実現しています。
クロストークを容易にコントロールするヤマハ独自のクロス発電方式や、耳障りなバルクハウゼンノイズを大幅に低減させるセンダストコアを採用しています。
機種の定格
型式 | MCカートリッジ |
変換方式 | 独立V-Hマトリックスムービングコイル型 |
アーマチュア | V-H方向十字型センダストコア |
振動系 | ワンポイントサスペンション方式 |
スタイラス | 0.14x0.07mm角ダイアモンド特殊楕円針 |
カンチレバー | 高純度ベリリウムテーパードパイプ |
振動系等価質量 | 0.167mg |
ハウジングケース | 端子一体型高強度プラスチック |
出力電圧 | 0.3mV(1kHz、5cm/sec、Peak 45゜) |
チャンネルバランス | 1dB以内(1kHz) |
チャンネルセパレーション | 28dB以上(1kHz) |
電気インピーダンス | 30Ω(純抵抗性) |
再生周波数範囲 | 10Hz~20kHz(能力:60kHz) |
針圧 | 1.2g±0.2g |
動コンプライアンス | H:14x10-6cm/dyne(100Hz) V:13x10-6cm/dyne(100Hz) |
針先 | 8x40ミクロン特殊楕円針 |
重量 | 5.7g |
交換針 | 本体交換(¥17,500) |