YAMAHA A-6
¥66,500(1981年頃)
解説
ピュアカレント・サーボアンプとX電源でクオリティとハイパワーの両立を図ったステレオプリメインアンプ。
電源部にはPhase Angle Control回路によるX電源を搭載しています。
このX電源のしくみは、電源部の二次側から一次側へ精密なフィードバック回路となっています。出力信号の変化などによって二次側の供給電圧が下がろうとするのを、電圧比較増幅器で検出して一次側にフォトカプラで高速フィードバックをかけています。これによってトランスの一次側に挿入されたTRIAC(交流を制御する素子)の動作をコントロールしています。
このTRIACは二次側からの信号により、トランスに流れる電圧波形の導通位相角(フェイズアングル)をコントロールして、二次側の電源電圧を常に一定に保っています。このため負荷変動や一次電圧の変動に影響されな安定度の高い定電圧電源が実現しています。さらに、トランスへの通電時間をコントロールしているため鉄芯の損失を少なくでき、コイルの巻線も少なくなっているため、トランスは従来の1/2以下に小型化されています。
また、従来のスイッチング電源に比べ回路が非常にシンプルなため信頼性にすぐれ、さらに高周波を使わないので雑音特性にも優れるなどのメリットも持っています。
イコライザアンプにはピュアカレント・サーボアンプを搭載しています。
原理的に出力のループだけに信号電流が流れ、電源回路は常に一定電流が流れるように設計されたピュアカレント・サーボアンプの搭載によって、電源回路内のノンリニア(非直線素子)の影響を抑えています。
さらに回路には、High-gm FET差動入力段、ICLを採用し、よりリアルな再生を実現しています。
DISCスイッチを搭載しており、DISCスイッチを押すと内蔵セレクタのポジションに関係なく、セレクタスイッチをジャンプしてピュアな再生を可能にしています。
Phonoセレクタを搭載しており、MMとMCのどちらにも対応しています。
メインダイレクトスイッチを搭載しており、トーンコントロール、ハイフィルタ、ラウドネスが信号経路から外され、イコライザやチューナなどから信号をダイレクトにDCアンプに入力できます。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
実効出力(20Hz~20kHz、歪0.01%) | 100W+100W |
パワーバンド幅 | 10Hz~50kHz(50W、歪0.02%) |
ダンピングファクタ | 55 |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:250μV/100Ω Tuner:150mV/47kΩ |
最大許容入力(歪0.01%) | MM:180mV MC:18mV |
出力電圧/インピーダンス | rec out:150mV/550Ω |
周波数特性(Main Direct On) | Tuner→SP Out:DC~100kHz +0 -2dB |
RIAA偏差 | 20Hz~20kHz ±0.2dB |
全高調波歪率(20Hz~20kHz) | MM→Rec Out(5V):0.003% MC→Rec Out(5V):0.006% Tuner→SP Out(50W):0.005% |
混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1) | Tuner→SP Out:0.002% |
SN比 | Phono MM:86dB Phono MC:70dB Tuner:103dB |
入力換算雑音 | Phono MM:-138dBV Phono MC:-147dBV |
残留ノイズ | 183μV |
チャンネルセパレーション (入力ショート、1kHz、Volume-30dB) |
MM→SP Out:70dB |
トーンコントロール | Bass:±10dB(20Hz) Treble:±10dB(20kHz) |
フィルター | 12dB/oct、10kHz |
コンティニュアス最大補正量 | 20dB(1kHz、聴感補正カーブ) |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力 | 165W |
ACアウトレット | 電源スイッチ連動:2系統 電源スイッチ非連動:1系統 |
外形寸法 | 幅435x高さ112x奥行365mm |
重量 | 9.1kg |