Wilson Benesch ACT-1 Evolution
2002年発売
ACT-1 Evolution(アルミ仕上げ):¥2,400,000(2台1組、2006年頃)
ACT-1 Evolution DC(グロスウッド仕上げ):¥2,860,000(2台1組、2006年頃、受注生産)
解説
第一号機であるACT-1 Loudspeakerの流れを汲むスピーカーシステム。
低域には18cmコーン型ユニットを搭載しています。
このユニットはウィルソンベネッシュが自社開発したTACTICドライバーで、強力なネオジウムマグネットを用いて特殊ポリプロピレンファイバー振動板をドライブしています。
このユニットではボイスコイルと振動板の重量バランスを見直しており、エッジワイズアルミワイヤーをボイスコイルに採用することでボイスコイル重量を50%軽減し、その分を振動板の強度向上にあてています。これによりパワーリニアリティが向上しています。
中域には低域と同じTACTICドライバーである18cmコーン型ユニットを搭載しています。
高域には2.5cmソフトドーム型ツィーターを搭載しています。
ネットワーク部はエンクロージャー底部と、エンクロージャーから音響的にセパレートされた背面の支柱部に内蔵しており、電磁気的な影響や振動の影響を最小限に押さえています。
エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しています。
エンクロージャーの殆どすべての構造体にはカーボンファイバーコンポジットと金属を使用しており、内部から各部にテンションを与えている力木からフロントバッフルまでがすべて金属で構成されています。サイドにはラウンド形状に一体成型されたモノコック構造のカーボンファイバーを採用しており、素材となるカーボン繊維にも独自の織り方を採用することで強度アップを図っています。
フロントバッフルはオール金属アロイ製となっており、厚さ18mmのスチールとアルミの複合材を採用しています。これにより従来の木製バッフル板に比べてユニット同士を近接配置することができ、かつ鳴きが発生しないため、再生音のS/N感と3次元的な音場感の改善を実現しています。
また、ミッドレンジ部とウーファー部はそれぞれ独立したチャンバーを内部に備えており、それぞれ独立したポートダクトを備えています。ミッドレンジ用のダクトは背面に開口しており、ウーファー部用のダクトは底部に向けて開口していますが、流出入する空気のスピードを減少させ、風切音を最小にする改良が施されています。
入力端子にはバイワイヤ接続に対応したスピーカーターミナルを採用しています。
外観の仕上げはアルミ仕上げとグロスウッド仕上げの2種類のバリエーションがありました。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・フロア型 |
使用ユニット | 低域用:18cmコーン型 中域用:18cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型 |
周波数特性 | 38Hz~24kHz |
公称インピーダンス | 6Ω 4.5Ω(最低) |
能率 | 90dB/m、2.83V入力時 |
外形寸法 | 幅230x高さ1,080x奥行370mm |
重量 | 45kg |