オーディオの足跡

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WADIA 270の画像
 解説 

ジッター低減のための様々な技術的成果を盛り込んだCDトランスポート。

TCXO(Temperature Compensated X'tal Oscillator)アウトプット・リファレンスクロックを搭載しています。
TCXOは厳密な温度補償によって0~50℃の範囲内での発振周波数変動を1ppm以内に抑えた超高精度の固定オシレーターです。このTCXOを搭載したマスタークロックをデジタル出力側に置くことでトランスポート内部から発生するジッターを抑え、TCXOの精度に忠実な高品位のデジタル出力を得ています。
デジタルリゾリューション・エンハンスメントを搭載しています。
この機能ではCDの16ビット信号の下位に9ビット分の非相関ディザ(TPDFディザ)を足すことで出力ビットレートを24ビットに拡張しています。24ビット許容入力を持つワディア・デコーディングコンピューター(Wadia27X、27、25、15i、2000Upgradeなど)との組み合わせによってその威力を最大限に発揮し、リニアリティとジッター特性の改善が得られます。
この機能には音のディテール感が微妙に変化する2種類のディザ処理モード選択(ハイパス/ローパス)を搭載しており、モード選択や処理のオン/オフはリモコンで操作できます。

メカニズム部にはTEAC製のCMK3.2をベースとしたVRDS方式の当時最新のバージョンを採用しています。

内部コンストラクションには徹底した振動制御設計が施されており、TCXOリファレンスクロックを一体化したデジタル出力基板は重量4.5kgのアルミ切削加工ケース/シャーシによって強固にホールドされています。

電源部にはアルミ切削加工のシールドケースに収められたトロイダルトランスと、合計12ステージのセパレートレギュレーターを搭載しています。

STクロックリンクシステムを搭載しています。
この機能はセパレート構成のCDトランスポートとデコーディングコンピューターを一つのクロックでコントロールする方式です。これによりトランスポート制御からD/A変換に至る全てのプロセスをD/A変換部と直結したTCXOリファレンスクロックによって完全に同期させる事ができ、デジタル信号の伝送過程におけるジッターの発生を根本的に抑えています。
このSTクロックリンクはデコーディングコンピューター側のTCXOによって生成されるリファレンスクロック信号をCDトランスポート側に供給する事で機能します。デコーディングコンピューター側のクロックリンク出力とCDトランスポート側のクロックリンク入力は第二のST光ケーブルで接続する事でリファレンスクロックを共有し、CDトランスポート側のTCXOは使用されません。このためクロック同士の干渉はありません。
クロックリンクのオン/オフはリモコンによって選択できます。

ワイヤレスリモコンが付属しています。

機種の定格
型式 CDトランスポート
CDドライブメカニズム CMK-3.2型、VRDS採用
量子化ビット数 16ビット/チャンネル
変調方式 EFM
誤り訂正方式 CIRC
ピックアップ 光学式3ビーム方式、AlGaAs半導体レーザー、波長780nm
デジタル出力 3系統
ST、同軸(BNC)、AES/EBU(XLR)
クロックリンク入力 ST:1系統
電源 トロイダルトランス、12ステージレギュレーター
筐体 スーパーデチューンド・エンクロージャー、航空機用コンピューターグレード・アルミニウムプレート使用
レンツの法則に見られる筐体内磁気共振を排除
側板表皮効果トランジション@>20Hz
消費電力 25W
外形寸法 幅431x高さ178x奥行406mm
ポイント受けベース使用時:高さ182mm
重量 19kg
付属 リモートコントローラー
ポイント受けベース(4個)