
WADIA Wadia15
¥690,000(1993年発売)
解説
新世代Wadiaならではの技術的成果を盛り込んで開発されたデコーディングコンピューター。
Wadia15では、スーパーデチューンドエンクロージャーや、1991年にWadiaが実用化試作品を発表したD/A出力によって直接スピーカーを駆動するパワーDAC技術を応用したI/V変換セクション、超高精度デジタルボリュームなどの技術的成果を盛り込んで開発されました。
D/A変換部にはディジマスターソフトウェアによる32倍リサンプリング・ダイレクトD/A変換方式を採用しています。
この方式では先行情報を1サンプルごとに高速演算処理することで時間軸における補間精度が比百的に高まり、複雑な音楽信号の忠実な再現を実現しています。中心となるのは2基の超高速演算DSPで、AT&T DSP16Aで、総合演算能力36MIPS、演算分解能36ビット(216dB)という高精度な信号処理を実現しています。
また、D/Aコンバーター部にはWadia9と同等のバーブラウンPCM63 コリニアDACを片チャンネル当たり2基搭載しています。
デジタルボリュームコントロールを搭載しています。
独自のスケーリングアルゴリズムによって最大21ビットの分解能を実現し、仮に音量を-30dBまで絞った状態でもCD本来の16ビットを上回る精度を確保しています。これにより従来パワーアンプ入力との間に挿入されていたコントロールアンプやパッシブアッテネーターによる音質的影響から開放されています。
さらにパワーDAC技術を応用した高出力I/V変換回路の採用によって、D/A出力~パワーアンプ間の完全直結を実現しており、出力インピーダンスは1Ω以下に抑えられています。
CDトランスポートWadia7でも実証されたスーパーデチューンドエンクロージャーを採用しています。
最大約18mm厚のアルミ合金パネルを強固に組み上げた高剛性エンクロージャーに高度な解析に基づく電磁的チューニングを実施し、さらに基板やプリントパターン、パーツの配列に配慮することで共振を効果的に分散しています。
さらに、外乱に強い安定したセッティングを実現するため、1本ごとに高さ微調整の可能なピンポイントタイプの脚部を装備しています。
入力端子はSTタイプ光端子を含む合計6系統を装備しています。
入力回路にはWadia独自のRockLokクロックリカバリーサーキットを搭載しており、ここでデジタル信号をリクロッキングして再送出することでジッターフリーのデジタル信号が内部形成され、入力信号に含まれるジッター成分を2500分の1まで低減しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
このリモコンでは入力切換やデジタルボリュームの音量調整、Wadia製CDトランスポートの操作が可能です
機種の定格
型式 | D/Aコンバーター |
デコーディング方式 | ディジマスター |
リサンプリングレート | 32倍 |
分解能 | 21ビット |
出力帯域幅 | DC~20kHz |
バスアンドリップル | 0 |
CPU能力 | 36MIPS |
演算分解能 | 216dB(36ビット) |
対応サンプリングレート | 48、44.1、32kHz |
リクロッキング | RockLok方式 |
位相反転 | デジタル領域 |
アナログ出力 | 高出力I/Vデバイスによるダイレクトカップリング構成 |
出力レベル | 13dBV(0dB基準) |
チャンネルセパレーション | 110dB以上(1kHz) |
デジタル入力 | ST光:2系統 EIAJ光:1系統 S/PDIF(同軸BNC):1系統 AES/EBU(XLR):1系統 |
オーディオ出力 | バランス(XLR):1系統 アンバランス(RCA):1系統 |
出力インピーダンス | 1Ω以下 |
PC基板 | 11層信号搬送基板、大型多層電力パターン |
アップデート | プログラマブルゲートアレイチップおよびROMチップ交換によりサポート |
筐体 | スーパーデチューンド・エンクロージャー (航空機用コンピュータークオリティ・無垢アルミニウムプレート使用) |
電源トランス | トロイダルトランス |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 25W |
外形寸法 | 幅350x高さ92x奥行407mm ポイント受けベース使用時:高さ96mm |
重量 | 9.0kg |
付属 | ワイヤレスリモコン ポイント受けベース(4個) |