VICTOR T-X50+
¥39,800(1983年頃)
解説
コンピューターコントロール方式を用いたFM/AMシンセサイザーチューナー。
独自のフルスタティックシンセサイザーシステムを採用しています。
一般的なシンセサイザー方式では蛍光表示管などの発光表示系が発生するデジタルノイズによって音質劣化が起きていました。T-X50+ではこの問題を解決するため、独自開発のLSIを用いたスタティック・ドライブ点灯方式を採用しており、さらにマイコンのキー入力部から発生するノイズにも着目してメモリー内蔵の大型マイコンを採用してます。これによりシンセサイザー方式特有のデジタルノイズを徹底的に除去したフルスタティックシンセサイザーシステムとしています。
フロントエンド部にはカスケード接続のJ-FETや高耐圧ハイQバリキャップなどの優秀素子を使用しており、歪率やSN比、妨害信号排除能力などの基本性能を高めています。
大型マイコンを用いた16局(FM8局、AM8局)プリセットメモリーを搭載しています。
T-X50+ではオートメモリー機能を搭載しており、コンピューターの自動スキャンでメモリーさせることもできます。
6局のプログラムメモリー機能を搭載しており、タイマーの併用で異なる局の連続自動受信ができます。
プログラムされた局の順番はいつでもプログラムモニターキーで確認できます。
コンピューターメモリーは新開発の電気二重層型コンデンサー(スーパーキャパシタ)のバックアップによって、電源コンセントを抜いても最低1週間は消えません。
FM/AMデジタル電界強度表示機能を搭載しています。
フロントパネルのFREQ/dBキーを押せば周波数表示が電界強度表示に切り替わり、受信局の入力レベルを1dBステップでデジタル表示します。電界強度の変化も瞬時に測定できるため、アンテナの設置や受信条件の改善に偉力を発揮します。
オートQSC(クワイティング・スロープ・コントロール)回路を搭載しており、ステレオ放送電波の入力レベルが低い時にはコンピューターコントロールで自動的に高域のノイズを約6dB低減します。この機能によってステレオの実用感度を2倍に高めています。
バランス型AMミキサー回路を採用しています。
着脱式のAM用ループアンテナを装備しています。
シルバーとブラックの2色のカラーバリエーションがありました。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
受信周波数 | 76.0MHz~90.0MHz |
50dBクワイティング感度(75Ω) | mono:1.8μV/16.4dBf stereo:9.8μV/31.0dBf(QSC AUTO) |
実用感度(75Ω) | 0.95μV/10.8dBf |
SN比 | mono:88dB stereo:82dB |
全高調波歪率(1kHz) | mono:0.08% stereo:0.08% |
キャプチャーレシオ(IHF) | 1.0dB |
実効選択度(IHF) | 65dB |
イメージ妨害比(IHF) | 80dB |
IF妨害比(IHF) | 90dB |
AM抑圧比(IHF) | 60dB |
ステレオセパレーション(1kHz) | 50dB |
周波数特性 | 30Hz~12.5kHz +0.3 -2.0dB |
サブキャリア抑圧比 | 50dB |
ミューティング・スレシホールド・レベル | 4.4μV/24.1dBf |
アンテナ入力インピーダンス | 75Ω不平衡 300Ω平衡 |
出力信号レベル | 600mV/2.2kΩ |
<AMチューナー部> | |
受信周波数 | 522~1,611kHz |
実用感度(外部アンテナ) | 20μV |
全高調波歪率 | 0.3% |
SN比 | 50dB |
選択度 | 30dB(±9kHz) |
イメージ妨害比 | 40dB |
IF妨害比 | 65dB |
出力信号レベル | 200mV/2.2kΩ(30%変調時) |
<その他> | |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力 | 9W(電気用品取締法) 2W(スタンバイ時) |
外形寸法 | 幅435x高さ77x奥行300mm |
重量 | 3.0kg |