オーディオの足跡

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T-7070の画像
 解説 

世界で初めて3ステージにPLL回路を採用したラボラトリー7070シリーズのFMステレオチューナー。

T-7070では3つの主要回路をPLLで構成しており、MPX回路に加えて局部発振回路と検波回路をPLL化しています。
PLL検波回路は、位相比較回路-ローパスフィルター-VCO(電圧制御発振器)で構成されるループから成り、常にIF信号の位相と同期した検波出力が得られます。IF信号の変化に即応して動作するフィードバック制御検波なので、温度や経時変化の影響を殆ど受けず、さらに微分利得特性(検波特性の直線性)が入力レベルと無関係にPLLのロック・レンジ内でフラットなため歪の少ない出力が得られます。また、ロック・レンジ内の信号だけを検波するフィルター特性を持つ、ロック・レンジは入力の強度に応じて自動的に変化しIF段の帯域幅切換無しで弱信号の選択度を高めることができる、AM抑圧能力がある、など従来の方式では得られなかった長所を持っています。
さらに、T-7070では局部発振回路をPLLシンセサイザー方式としてIF信号をロックしているため、忠実度と安定性が高いものとなっています。

IF段の選択素子には新開発のSAW(Surface Acoustic Wave=表面弾性波)フィルターを採用しています。
このフィルターは圧電素子の表面を伝播する振動波によって信号を伝える原理を応用したもので、群遅延特性の直線部分がセラミック・フィルターの2倍もひろく、しかも同等の選択度を持っています。

MPX段にはパイロットキャンセル回路を内蔵しています。この回路では、デコーダーには不要なスイッチング信号を除去するため、逆位相のパイロット信号をPLL回路で作り出し、プリアンプとデコーダーの間で打ち消しています。これによってデコーダー出力の不要信号除去用ローパスフィルターで19kHzを減衰させる必要が無くなり、オーディオ帯域の周波数特性や位相特性が改善されています。
また、デコーダー回路をNFBで低歪率化し、19kHzだけに応答すればよいPLLのフィルター特性を高めています。

7局メモリー機能を搭載しています。
この機能は電源スイッチを切ってもそのまま保持されます。

エアチェック用のレコーディング・レベル・キャリブレーターを搭載しています。

別売でラックハンドルがありました。

機種の定格
型式 FMチューナー
受信周波数 76.0MHz~90.0MHz
実用感度(75Ω、IHF) 1.0μV/11.2dBf
50dB S/N感度(75Ω、IHF) mono:1.9μV/16.8dBf
stereo:19μV/36.8dBf
高調波歪率
mono: 0.1%(100Hz)
0.08%(1kHz)
0.1%(6kHz)
stereo: 0.1%(100Hz)
0.1%(1kHz)
0.1%(6kHz)
混変調歪率 mono:0.05%
stereo:0.1%
キャプチャーレシオ 1.0dB
実効選択度 80dB
イメージ妨害比 110dB
スプリアス妨害比 110dB
IM妨害比 110dB
AM抑圧比 65dB
ステレオセパレーション 45dB(100Hz)
50dB(1kHz)
45dB(10kHz)
サブキャリア抑圧比 72dB
ミューティング・スレシホールド・レベル
(75Ω、IHF)
mute1: 2μV/17.3dBf(mono)
2μV/17.3dBf(stereo)
mute2: 16μV/35.3dBf(mono)
16μV/35.3dBf(stereo)
周波数特性 30Hz~15kHz +0.3 -0.5dB
出力信号レベル(400Hz、100%変調) Variable out:0~1.5V/2.5kΩ
Fixed out:750mV/2.5kΩ
DET out:160mV/2.5kΩ
Rec level:50%周波数変調相当(333Hz)
アンテナ入力インピーダンス 75Ω平衡
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力(電気用品取締法基準) 15W
外形寸法 幅420x高さ61x奥行348mm
重量 6.5kg
別売 ラックハンドル BH-50(¥3,500)