VICTOR T-50F
¥46,000(1978年頃)
解説
PTL(Phase Tracking Loop)検波回路を搭載したFMステレオチューナー。
入力追尾方式のPTL検波を採用しています。
PTL検波はCD-4のローノイズ化と音質向上のために開発された技術を応用したもので、狭帯域フィルターの中心周波数が入力IF信号の変化を追って動く構造となっています。PTL検波ではIF段まで十分な帯域幅を持たせておき、検波回路で帯域幅を決定しています。このため10.7MHzを中心として常に変動しているIF入力信号の変化を瞬時に捉えることができ、帯域の狭いシャープな同期フィルターが追尾することで少しでも周波数のずれた妨害波は通過せず、目的の信号を極めて高効率に選び取ることができています。
PTL検波の追尾動作はフィードバック(NFB)制御によっています。このため検波特性が広帯域にフラットで温度変化や経時変化にも強く、弱電界でのS/Nもよく、フィードバックループの応答速度に応じたAM抑圧能力をもつなどの様々なメリットを得ています。
プリアンプを含むMPX段とポストアンプを全てDC化しており、パイロットキャンセル内蔵のNFB・PLL・MPX・ICや、相遅延特性を向上させたローパスフィルターなど、高いオーディオ性能を追求しています。
LEDインジケーター付きオートチューニングホールド機能を搭載しています。
レコーディングレベルキャリブレーターと前面出力レベルボリュームを搭載しています。
LEDを用いたシグナル(5点)とチューニング(3点)インジケーターを搭載しています。
同軸ケーブル用F型コネクターを搭載しています。
機種の定格
型式 | FMチューナー |
感度(75Ω) | 0.9μV/10.3dBf(IHF) |
50dB S/N感度(75Ω) | mono:1.9μV/16.8dBf stereo:19μV/36.8dBf |
SN比 | mono:78dB stereo:72dB |
高調波歪率(1kHz) | mono:0.08% stereo:0.10% |
実効選択度 | 70dB |
キャプチャーレシオ | 1.0dB |
イメージ妨害比 | 110dB |
IF妨害比 | 110dB |
スプリアス妨害比 | 110dB |
AM抑圧比 | 65dB |
ステレオセパレーション | 50dB(1kHz) 40dB(50Hz~12kHz) |
周波数特性 | 30Hz~15kHz +0.3 -0.8dB |
外形寸法 | 幅420x高さ108x奥行331mm |
重量 | 5.0kg |