VICTOR JT-V31
¥29,800(1975年頃)
解説
コンポーネントの良さを生かしつつ、生産工程の合理化などによってコストを抑えたAM/FMステレオチューナー。
主要回路には高集積度ICを3個使用しています。
また、IF段に4レゾネーター型セラミック・フィルターを使用しており、いくつか組合わせて使う従来のセラミックフィルターと違い1個で所定の選択度を得ることで、選択度と伝送特性の両立を図っています。
MPX部には新型のPLL・ICを採用することでセパレーションや歪率を向上させてます。
また、19kHzのパイロット信号をカットするLC共振フィルターを採用し、テープに録音する際にデッキのバイアスとの干渉で生じるビートを防いでいます。このフィルターは左右独立型なため、セパレーションも向上してます。
フロントエンドでは、ドリフトを減らしてダイヤル精度を高めるため、温度特性の良いコイルを採用しています。
チューニングシャフト部にテープデッキ用の精密軸受を使い、ロープも丈夫なケベラー・ロープとして精度を高めています。ケベラーロープは約400本のポリアミド系繊維をテトロン外被で包んだ糸で丈夫で柔軟かつ温度特性が良いという特徴を持っています。
シグナルメーターとFMゼロ・センターメーターを搭載しています。
センターメーターはミューティングがonの時も振れ幅が変らないようになっています。
ミューティング・スイッチ、ハイ・ブレンドとモノ・ポジションをもつファンクションスイッチを搭載しています。
機種の定格
| 型式 | FM/AMチューナー | ||||
| <FMチューナー部> | |||||
| 受信周波数 | 76MHz~90MHz | ||||
| 感度 | stereo:1.9μV(IHF)/40μV(S/N50dB) | ||||
| SN比 | mono:72dB stereo:68dB |
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| 高調波歪率 |
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| キャプチャーレシオ | 1.0dB | ||||
| 実効選択度 | 65dB | ||||
| イメージ妨害比 | 60dB | ||||
| IF妨害比 | 90dB | ||||
| スプリアス妨害比 | 80dB | ||||
| AM抑圧比 | 55dB | ||||
| ステレオセパレーション | 45dB(1kHz) 35dB(10kHz) 30dB(100Hz) |
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| サブキャリア抑圧比 | 55dB | ||||
| SCA抑圧比 | 70dB | ||||
| ステレオ・スレシホールド・レベル | 4μV | ||||
| ミューティング・スレシホールド・レベル | 4μV | ||||
| 周波数特性 | 30Hz~15kHz +0.3 -1.5dB | ||||
| 出力レベル(400Hz、100%変調) | 750mV | ||||
| アンテナ入力インピーダンス | 300Ω平衡、75Ω不平衡 | ||||
| <AMチューナー部> | |||||
| 受信周波数 | 535kHz~1605kHz | ||||
| 感度 | 300μV/m(バーアンテナ) 50μV(外部端子) |
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| 選択度 | 30dB | ||||
| 高調波歪率 | 0.5% | ||||
| SN比 | 50dB | ||||
| イメージ妨害比 | 45dB | ||||
| IF妨害比 | 45dB | ||||
| 出力レベル(400Hz、100%変調) | 750mV | ||||
| <総合> | |||||
| 電源 | AC100V、50Hz/60Hz | ||||
| 定格消費電力 | 6.0W | ||||
| 外形寸法 | 幅390x高さ152x奥行358mm | ||||
| 重量 | 5.0kg | ||||