VICTOR XL-V400
¥86,000(1985年発売)
解説
無共振・無振動技術と業務用デジタル録音システムからのノウハウをもとに開発されたCDプレイヤー。
D/A変換部には16ビットD/Aコンバーターを採用しています。また、デジタルフィルターには2倍オーバーサンプリングデジタルフィルターを採用しています。
デジタルフィルターによってサンプリング周波数を2倍にシフトアップすることでD/A変換前に不要信号を低いレベルに抑圧しており、シンプルなアナログフィルターが使用でき、音質が改善できます。また、デジタルフィルターをデジタル信号処理用のLSIに一体化して組み込む事で信頼性を高めています。
メカニズム部にはISメカニズムを採用しています。
ISメカニズムでは頑丈なメカ・ベースでシャーシを強化したうえ、大型のインシュレーターによって回転系とピックアップ部を本体からフローティングさせています。電気的なサーボ・スタビライザー効果を大きくしたことと相まって安定した音質を得ています。
サーボ回路にはニューYサーボ・システムを採用しています。
ニューYサーボは2種類のサーボ回路で構成されています。まず、高感度ピックアップを充分に生かす周波数特性と位相特性、ゲインを持ったハイ・トレーサビリティ・サーボ回路で常に最良の動作条件を整えています。そして、もうひとつのハイ・バランス・サーボ回路によってディスクの傷や汚れから起きるトレース・エラーを防いでいます。この回路は、3スポット・ビームの先行ビームと後続ビームの時間差を利用したもので、先行ビームが検出した傷波形を遅延させ、後続ビームに重ねてキャンセルする構造となっています。
ディスクトレイにはディスク・センター・ホールド方式を採用しており、ディスクの中央部だけをスプリング・メカで支えることで、信号の記録面にタッチしてディスクに傷がつくのを防いでいます。
電源回路はアナログ系とデジタル/サーボ系を分離独立させてビート妨害や干渉歪を抑制しています。
アナログステージには音の良いディスクリートパーツを多数使用しています。また、基板構成もプリント・パターンの引き回しを少なくするとともに左右チャンネル対称のアイソメトリック・パターンとしています。これによりクロストークやノイズ、位相歪を低減しています。
オーディオ専用電解コンデンサーやファースト・リカバリー・ダイオード、ローノイズ低歪率OPアンプ、銅ネジなどの高音質パーツを採用しています。
ディスプレイには大型FLマルチ・ディスプレイを採用しています。
大型インシュレーターを採用しています。
ボリューム付きのヘッドホン端子を搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しており、電源のON/OFFとディスクトレイOPEN/CLOSEを除くボタン操作を行う事ができます。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
周波数特性 | 5Hz~20kHz |
全高調波歪率 | 0.003%(1kHz) |
ダイナミックレンジ | 95dB(1kHz) |
SN比 | 95dB(デジタルゼロ時) |
チャンネルセパレーション | 90dB(1kHz) |
ワウフラッター | 測定限界値以下 |
出力レベル | 2.0Vrms(フルスケール) |
D/A変換 | 16ビット直線 |
その他 | 15曲ランダムプログラム インデックススキップ マニュアルサーチ(リモコン2速度) リピート(全曲、A-B、プログラム) ポーズ イントロスキャン ボリューム付きヘッドホン端子 DCS端子(DCS、シンクロ録音対応) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 13W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅435x高さ82x奥行292mm |
重量 | 4.0kg |
付属 | ワイヤレスリモコン RM-V400 |