オーディオの足跡

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TD-V721の画像
 解説 

独立3ヘッド構成のステレオカセットデッキ。

ヘッド部は録音・再生・消去をそれぞれ専用のヘッドで行う独立3ヘッド構成を採用しています。

ヘッド素材には新開発のファインアモルファスを採用しています。このヘッドは高域特性に優れたアモルファスに、磁気特性が良く耐摩耗性に優れたSAヘッドの特性を加えたもので、バランスの良いヘッド特性を実現しています。
さらに、ヘッドのコイル巻線やリードワイヤーにはPC-OCC(単結晶状高純度無酸素銅材)を採用しており、信号ロスを大幅に抑えています。

メカニズム部にはクローズドループ・デュアルキャプスタン方式を採用しています。
この方式では、独立ヘッドの両側にキャプスタンとピンチローラーを配することでテープの巻き始めから終わりまでテンションを一定に保っており、常に安定したヘッドタッチを実現しています。しかも二つのキャプスタンにテープが挟まれることで外乱振動を伝えにくくしています。
さらに、メカベースにはアルミダイキャストを採用しており、キャプスタンやピンチローラー軸の垂直度、平行度、耐振動性を大幅に向上しています。また、モーター基板には鋼板を二重に重ねることでメカ振動に対処しています。これにより、外部振動によるアコースティック変調ノイズまでを含めたトータルな変調ノイズを効果的に低減しています。

駆動モーターには3相6コイル・セラロックサーボのダイレクトドライブモーターを採用しています。

アンプ部にはDCサーボアンプを採用しており、低域で3~4dB、高域で1~2dBのS/N比を改善しています。
また、細部に厳選した高音質パーツを採用するとともに、信号基板には伝送効率の高いOFC基板を採用しています。

バイアス周波数を210kHz(消去105kHz)に設定しており、信号電流とのビートを抑えています。

信号経路の引き回しによるノイズ混入や特性劣化を防ぐため、信号経路をできるだけ短くする設計が採用されてます。
フロントパネルの電源スイッチや入力セレクター、入力レベルのボリュームは、リアパネルの入力端子間近でコントロールできるようリモートバーを介して接続されています。

電源部にはOFC巻線大型トランスと大容量コンデンサーを用いた±トラッキング制御による低出力インピーダンス電源を採用しています。この回路では、アース電位が常にゼロとなるようプラス側とマイナス側が連携して動作することで増幅アンプの安定性を保っています。しかもハイゲインの電圧比較回路と高周波特性に優れた定電流制御回路の組合せにより、出力インピーダンスをオーディオ周波数帯域で1mΩ以下まで下げています。これにより、複雑な外乱ノイズに強い安定化電源を実現しています。
さらに、専用ラインで各回路へ電源供給を行うことで回路間の相互干渉を排除しています。

電源部、録再独立アンプ部、コントロール部の3ブロックを独立分離した構造を採用しています。
TD-V721ではマイコンや表示部分を一ヶ所に集め、インナーシャーシで基板ごと分離しています。さらに、電源トランスなどからの磁気滞留を追放するため、アンプ部は録音・再生系を分離しそれぞれ専用の銅メッキシャーシでシールドしています。これにより録音系からの干渉も排除しています。

デジタルノイズの発生源であるFLディスプレイは、録音時・再生時に消す事が可能です。
OFF時でもストップ・早送り・巻戻し・ポーズ時には点灯し、録音または再生がスタートすると自動的にOFFとなります。さらに、録音終了後にデジタルピークのコールボタンによって最大ピークを数字で呼び出すことができます。

外部振動によるアコースティック変調ノイズを低減するため、フロントパネルには比重約1.5倍、剛性約1.7倍の高比重モールドベースを採用し、スイッチやメカボタンにもアルミ素材を採用しています。また、ボディ下部には高剛性重量級ソリッドベースを装備しており、低重心・制振構造を実現しています。

ハーフシェルスタビライザーを搭載しており、カセット自身の防振を図っています。

ノイズリダクションシステムとしてドルビーB/C NRを搭載しています。

ドルビーHX-PROを搭載しています。
この回路は、録音時に入力信号の変動に応じて実効バイアスが一定になるようにコントロールするシステムで、高域のダイナミックレンジを大幅に改善することができます。また、このシステムは録音時にのみ動作するため、録音したテープは他のデッキでも高音質再生できます。

スイッチの切換えにより、ドルビーB/C NRやドルビーHX-PROを回路内から外す事が可能です。

CDなどのデジタルソースを直接接続できるダイレクト入力端子を搭載しています。
ダイレクト入力時はバランスボリュームも通さないダイレクト録音となり、さらにTD-V721ではバイアスとラップ(NR OFF再生時)さえも切り離されています。

オートモニター機能を搭載しており、録音時は録音直後のテープの音を、ポーズ待機中はソースの音を、自動的に切換えて出力できます。

自動選曲機能を搭載しています。

極性表示付きのOFC極太電源コードを採用しています。

金メッキ入出力端子を採用しています。

RECキャリブレーション機能(レベル・バイアス)を搭載しています。

タイマースタート機構を搭載しており、別売タイマーを接続することで録音・再生が可能です。

ボリューム付きヘッドホン端子を搭載しています。

ワイヤレスリモコンが付属しています。

機種の定格
型式 カセットデッキ
ヘッド 録音:アモルファス
再生:アモルファス
消去:2ギャップフェライト
モーター キャプスタン用:パルスサーボDDモーター
リール用:DCモーター
メカニズム駆動用:DCモーター
ワウ・フラッター ±0.05% Wpeak(EIAJ)
0.022% WRMS
早巻き時間 約95秒(C-60)
周波数特性(-20dB録音、EIAJ) メタル:15Hz~21kHz ±3dB
クローム:15Hz~19kHz ±3dB
ノーマル:15Hz~19kHz ±3dB
SN比 57dB(メタルテープ、EIAJ)
61dB(A.WTD、1kHz、3%3次高調波歪率、メタルテープ)
Dolby B NR on:1kHzで5dB、5kHz以上で10dB向上
Dolby C NR on:500Hzで約15dB、1kHzで最大20dB向上
MOL改善効果:10kHzで4dB向上
歪率 0.5%(EIAJ、1kHz、3次高調波歪率、メタルテープ)
チャンネルセパレーション(EIAJ) 40dB(1kHz)
クロストーク(EIAJ) 65dB(250Hz)
入力端子 CD Direct:80mV/50kΩ
Direct:80mV/50kΩ
Line:80mV/50kΩ
出力端子 Line:0.3V/600Ω
Headphone:0~1mW/8Ω(8Ω~1kΩ適合)
その他の端子 コンピュリンク-1/シンクロ(x2)
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 20W(電気用品取締法基準)
最大外形寸法(EIAJ) 幅435x高さ140x奥行336mm
重量 約10.3kg
付属 ワイヤレスリモコン RM-RT711
ピンコード