VICTOR TD-V1
¥90,000(1996年頃)
解説
HMVシリーズのカセットデッキ。
ヘッド部には優れた高域特性を持つアモルファス磁性合金を採用しており、さらにヘッド巻線に高純度無酸素銅(PC-OCC)を採用することで信号ロスを抑え、高ダイナミックレンジ、高周波数レンジの録音再生を実現しています。
駆動モーターには定評あるパルスサーボDDモーターを搭載しており、駆動力をダイレクトに伝えることで伝達ロスやワウフラッターに対して大きなマージンを得ています。
また、独自のパルスサーボによる制御によってテープ負荷変動や温度変化、経時変化にも安定した性能を確保しています。
メカニズム部にはクローズドループデュアルキャプスタン方式を採用しており、テープテンションの低下や変調ノイズの発生を抑えています。また、DDモーターとのマッチングでヘッドタッチの安定化や、回転ムラ/回転時の雑音低減など、音質ロスを抑えています。
オールディスクリート構成の高出力イコライザーアンプを採用しています。
従来の2倍を超える電源電圧で安定作動させています。また、ローノイズFETのシングル入力回路によって高いS/Nと高ダイナミックレンジを実現しています。
ラインバッファーランプにも無帰還型オールディスクリートバッファーアンプを採用しており、低歪率、ハイスピード応答設計となっています。
内部構造は再生アンプ部/録音アンプ部/バイアスコントロール部/アナログ電源部/システムコントロール部の5つのブロックに完全分離した設計となっており、ブロック間の相互干渉を排除しています。
さらに、各ブロックの最適レイアウトや切換リレーを採用することで入力、録音、再生、出力まで信号経路を最短化しています。
シャーシ構造にはアークシェルフシャーシを採用しています。
3.5mm厚のアルミニウム素材を用いたフロント/トップの一体型パネルを採用しています。また、メカニズムや電源トランスなどの重量物を中央に配置するミッドシップレイアウトを行ったうえ、3.2mm厚鋼板採用の高剛性シャーシにパーツをしっかりと固定することで不要振動を排除しています。
レコーディングキャリブレーション機能を搭載しており、キャリブレーションの調節によってテープの能力を引き出します。
高域のダイナミックレンジを拡大するドルビーHXプロを搭載しています。
また、210kHzのハイバイアス設計でダイナミックな録音が可能となっています。
ディスプレイのON/OFF機能とディマー機能を搭載しています。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーB/C NRを搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | カセットデッキ |
周波数特性 | メタルテープ:15Hz~21kHz(-20dB録音) |
ワウフラッター | 0.035% WRMS ±0.08% Wpeak |
付属機能 | ドルビーHX-PRO リニアタイムカウンター マルチミュージックスキャン 電動カセットドア デジタルピーク ディスプレイディマー、ON/OFF コンピュリンク端子 |
外形寸法 | 幅360x高さ129x奥行330mm |
重量 | 8.5kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |