VICTOR QL-Y55F
¥75,000(1981年発売)
解説
上級機であるQL-Y77Fとほぼ同じ機能を搭載したレコードプレイヤー
トーンアームにはQL-Y77Fと全く同等の電子制御EDサーボトーンアームを採用しています。
このアームでは、マイクロコンピューターと2組のコアレスリニアモーターで水平・垂直両方向の動きをフィードバック制御しています。
また、針圧印加と低域共振のQダンピング、アンチスケーティングをそれぞれ独立したボリュームノブで自由にコントロールすることができます。特に、電子Qダンピングは、アームの振動を電気信号に変換してマイクロコンピューターに伝え、リニアモーターに逆トルクを与えて振動を抑えるという構造になっており、低域共振だけでなく様々な外乱によるアーム振動も抑制しています。しかも、機械的な摩擦がないため、軸受の感度を損なうことがありません。
QL-Y55Fに採用されたEDサーボトーンアームでは改良が施されており、サーボゲインを従来の約5倍に高め、安定動作を強化しています。
ソフトタッチスイッチによるフルオート動作や任意選曲が可能です。また、マニュアル操作も切替無しで自由に行えます。
アーム部にはアームパイプ交換方式を採用しており、軸受ブロックのコネクターによってカートリッジをパイプごと交換し、グレードアップを楽しむことができます。
QL-Y55Fでは高剛性なローマーステーパードストレートパイプを標準装備しています。また、オプションパイプとして標準装備のストレートパイプ(PH-100)や特殊高剛性素材テーパードストレートパイプ(PH-200)、S字ユニバーサルパイプ(無振動追求チャッキングロックヘッドコネクター付き、PH-300Y)の3種類があります。
また、別売の大型カウンターウェイトを使用することで殆どのカートリッジに対して最適なマッチングが得られます。
トーンアーム機能の集中コントロールを採用しており、全ての機能をキャビネット右前部の一箇所に集めることで操作性向上を図っています。このコントロール部では針圧やQダンピング、アンチスケーティングのコントロール、トーンアームの移動やフルオート機能などの操作ができます。
回転系にはクォーツロックの安定度を従来の30培に高めたダブルサーボクォーツ回路を採用しています。また、モーターにはコッキングの無いコアレス構造のDDモーターを採用しとえり、1.5kg-cmの大トルクを得ています。
また、アームベースとターンテーブルベースをドッキングプレートで剛体接合することで、それぞれの振動の位相を整合し、混変調歪を抑えています。
キャビネットには高密度ソリッド材を用いた無共振・無振動追求設計が施されています。また、外観はローズウッド調鏡面仕上となっています。
また、インシュレーターには低重心タイプを採用しており、支点位置を可能な限り高めることでキャビネットの安定性向上を図っています。このインシュレーターは高さ調整が可能です。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
駆動方式 | FG検出ダブルサーボクォーツ・コアレスDCダイレクトドライブ |
回転数 | 33 1/3、45rpm |
ワウフラッター | 0.009%(WRMS、回転部FG法) |
SN比 | 78dB(DIN-B) |
起動特性 | 1/3回転以内 |
起動トルク | 1.5kg-cm |
ターンテーブル質量 | 1.95kg(マット含む) |
慣性質量 | 300kg-cm2 |
負荷特性 | 0%(針圧210gまで) |
回転数偏差 | 0.002% |
トーンアーム型式 | EDサーボ、パイプ交換方式 |
有効長 | 254mm |
針圧可変範囲 | 0~3.0g |
取付カートリッジ重量 (シェル含む) |
3.5g~9.5g 30gまで(SW-Y55使用時) |
アーム高さ可変範囲 | ±3mm |
キャビネット仕上げ | ミラー仕上げローズ調 |
外形寸法 | 幅495x高さ191x奥行419mm |
重量 | 12.0kg |
別売 | ストレートアームパイプ PH-200(¥9,000) ストレートアームパイプ PH-100(¥7,000) S字型ユニバーサルアームパイプ PH-300Y(¥3,000) カウンターウェイト SW-Y55(¥2,000) |