VICTOR QL-V1
¥200,000(1996年頃)
解説
HMVシリーズのレコードプレイヤー。
駆動モーターにはビクターオリジナル設計のハイトルク・クォーツDDモーターを搭載しており、0.147N・m(1.5kgf・cm)を実現しています。
また、応答性の素早い±サーボやφ10mm極太シャフトの採用によってアナログ再生の基本を揺るぎないものとしています。
トーンアームには新設計のTH(トレーシングホールド)型S字トーンアームを採用しており、トレース性能の安定化を図ると共に無共振を追求しています。
このアームはマイクロベアリングをはじめ超精密加工技術を駆使することで高感度と高安定性の両立を実現しています。さらに内部リード線にはOFC(無酸素銅)を採用しており、ダイレクトにシグナルケーブルに接続され高音質と高安定性を両立させています。
モーターとトーンアームは高剛性の3.2mm厚鋼板製の湯rにフレームに一体取付しています。これにより両者の結合剛性を高め、正確なトレースと振動モードの一元化を実現しています。
さらにコルクサンドイッチ構造などによって対振動マージンを大きく取っています。
電源トランスには新設計のRコアトランスを採用しています。
このトランスは振動レベルやリーケージフラックスの低減に加えコンパクト化も実現しています。
ヘッドシェルにはマグネシウム製のユニバーサルヘッドシェルを採用しており、カートリッジ交換を容易にしています。
また、アームとの締め付けもダブルピンによってアームとシェルの一体化を目指しています。
ターンテーブルには3.3kgアルミダイキャスト製ターンテーブルを採用しています。
上面にはすり鉢状の極めて緩やかなテーパーをつけ、下面を平行面の無いような形状とすることでレコード盤の密着性を向上しており、ターンテーブルの定在波減少を追求しています。また、肉厚形状とすることでハイトルクモーターから発生する有害な雑音成分のカートリッジへの影響を抑えています。
キャビネットには樹脂含浸によって経年変化を少なく抑えた無垢マホガニーを採用しています。
また、ダストカバーも内部損失の大きいアクリルを使用すると共に、天板と側板の厚みを変えて共振分散構造としています。
脚部には特殊ゲル封入フットを採用しており、ハウリングに強い低共振構造としています。
金メッキピンプラグを採用しています。
別売りオプションとして重量級カートリッジ用のウエイトやレコードスタビライザーがありました。
機種の定格
| 型式 | アナログプレイヤー |
| <ターンテーブル部> | |
| 駆動方式 | ダイレクトドライブ |
| 制御方式 | クォーツロック・コアレスDC型FGサーボコントロール |
| ターンテーブル | 308mmアルミダイキャスト製、3.3kg |
| 回転数 | 33・1/3、45rpm |
| ワウフラッター | 0.025%W.RMS(JIS C521) 0.008% Peak(回転部 FG型) |
| S/N比 | 75dB(DIN-B) |
| 起動時間 | 1.3秒(33・1/3rpm) |
| <トーンアーム部> | |
| 形式 | スタティックバランス型S字トーンアーム |
| アーム実効長 | 229mm |
| 針圧範囲 | 0g~3.5g |
| オフセットアングル | 22゜±1゜ |
| オーバーハング | 15mm |
| トラッキングエラー角 | +2゜~-1゜20"(レコード半径R55~R145mmにおいて) |
| 適合カートリッジ質量範囲 | 17g~29g(標準ヘッドシェル含む) ヘッドシェル質量:11g |
| 電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
| 消費電力 | 6W(電気用品取締法基準) |
| 外形寸法 | 幅440x高さ183x奥行360mm(ダストカバー閉時) 幅440x高さ435x奥行405mm(ダストカバー開時) |
| 重量 | 13.5kg |
| 別売 | ウエイト AL-HW1J(¥8,000) スタビライザー AL-CL1J(¥10,000) |