VICTOR QL-7R
¥67,500(1977年頃)
解説
ターンテーブルTT-71型を搭載したレコードプレイヤー。
ターンテーブル部には単体製品として販売されたクォーツロックDDターンテーブルTT-71を搭載しており、駆動モーターには1kg・cm以上のトルクを持つ全周積分検出方式のFGサーボシステムを搭載しています。
この速度検出機構は、リングマグネットと180スロットの磁性円盤(FGヨーク)、180個分の発電プリント・コイル(FG基板)で構成されており、モーターとともに磁性円盤が1回転すると180個のコイルそれぞれに180ずつのパルスを発生させます。このため、トータルの検出出力は180個のコイルの全周の出力を積分した形で現れ、検出ミスが少なく、サーボ系自体でワウ・フラッターの原因を作り出すといった不合理を殆ど無くすことができます。
さらに、ターンテーブルにはゴム・カバーリングを含めた総重量が2.2kgのものを採用し、さらにクォーツロックを追加することでオーバーオールに回転精度を高めています。
クォーツロック回路では、水晶の正確な発振周波数をもとにした基準信号と、モーターの速度検出部から送り出された信号の位相を比較しており、差がある場合にはモーターの駆動電圧を自動的に変えています。QL-7Rではこの部分にサンプル・ホールド型と呼ばれる回路を用いており、サーボ応答の正確化と敏速化を図っています。
回転数の切換えスイッチとストップスイッチはにはタッチセンサー方式を採用しています。
また、ストップスイッチには電磁ソレノイドを利用したブレーキ機構が連動しており、1.6秒以内で滑らかに停止することができます。
ストロボの電源にも水晶の発振周波数を利用しており、正確な速度監視を可能にしています。
トーンアームには、一点支持方式の感度とジンバル方式を凌ぐ安定性を追求したビクター独自のニュー・ジンバル方式を採用しています。また、防振材入りアーム・パイプやシェルのがたつきを防ぐチャッキング・ロック式ヘッド・コネクター、溶湯鍛造ヘッドシェルなどを採用し、さらなる高音質化を図っています。
キャビネットは、理論解析と振動ループの測定によって無共振・無振動化を追及した設計となっています。
フットにはコイル・スプリングとゴムをダイキャスト・ハウジングに組み込んだ新開発のパラレル・アイソレーターを採用しています。この構造により高い防振効果を得ながら横ブレを低減しています。また、このアイソレーターは高さ調整が可能です。
別売でアーム・サブウェイトがありました。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
駆動方式 | FG検出クォーツロックDCサーボダイレクトドライブ |
回転数 | 33・1/3、45rpm(タッチセンサー電子式切換) |
ワウ・フラッター | 0.025%(WRMS) |
SN比 | 63dB(IEC-B) 73dB(DIN-B) |
起動特性 | 1.4sec.(1/2回転) |
負荷特性 | 針圧120gまで0% |
ドリフト | 0.0001%/h 0.00005%/℃ |
トーンアーム型式 | ニュージンバルサポートTH方式スタティック・バランス |
有効長 | 245mm |
針圧可変範囲 | 0~3g(0.25gステップ)直読式 |
取付けカートリッジ重量 | 14.5g~23.5g(シェルを含む) |
アーム高さ可変範囲 | 43.5mm~54.5mm |
キャビネット仕上げ | ローズウッド調 |
外形寸法 | 幅490x高さ181x奥行411mm |
重量 | 12.0kg |
別売 | アーム・サブウェイト SW-71(¥1,500) |