VICTOR MTR-10M
¥79,800(1970年代前半頃)
解説
4チャンネル・プレイバックと2チャンネル録音再生の両方が行えるコンパチブル型のテープデッキ。
4チャンネルのヘッド方式はインライン型で、海外の4チャンネルミュージックテープにも対応しています。テープヘッドは特性の優れたものを使用し、トラック間のシールド方式も特殊な形状に設計することでクロストークを50dB以上と少なく抑え、良好なセパレーションを得ています。
プリアンプのイコライザー部には直結3段NF型を採用しています。
また、一般のアンプに接続できるほか、Treble/Bassのコントロールアンプを内蔵しており、1Vまで得られる高出力型のためパワーアンプと直結できる設計となっています。
メカニズム部にはアイドラー方式を採用しています。
また、ドライブモーターの振動を防止する装置を搭載しています。
VUレベルメーターを4チャンネル分搭載しています。
4チャンネル出力端子として、コンポーネントアンプ用に使う一般のテープデッキと同じ出力レベルが得られるピン端子を搭載しています。
また、ビクターのMCSSセパレートステレオシリーズと接続する4チャンネル9P端子を搭載しています。MCSSシリーズステレオの場合には、音量及び音質のコントロールはMTR-10M内蔵の4チャンネルプリアンプ部でコントロールします。
使用するスピーカーの能率やアンプの入力感度が違っていてもバランスよく調整できるよう4チャンネル独立の出力調整ボリュームを搭載しています。
自動停止装置を搭載しており、テープ巻取り後に自動的にモーターが停止します。
リセットボタン付きの4桁テープカウンターを搭載しています。
垂直、水平のほかに斜め角度でも設置できるリクライニング・スタンドが付属しています。
また、ゴムローラーを搭載しており、4チャンネルシリーズステレオに組み込む際にも便利となっています。
機種の定格
型式 | 4ch/2chテープデッキ |
トラック形式 | 4トラック・4チャンネルコンパチブル方式(再生) 4トラック・2チャンネル方式(録音/再生) |
チャンネル切換 | 2ch-4ch切換スイッチ付き |
駆動モーター | ヒステリシスシンクロナスモーター |
バイアス方式 | ACバイアス |
消去方式 | AC消去 |
テープ速度 | 19cm/s、9.5cm/s |
録音時間(ステレオ往復) | 90分(L.P.T.使用、19cm/s) 180分(L.P.T.使用、9.5cm/s) ※モノラル録音時は2倍 |
早送り時間 | 3分30秒以内(7号テープ) |
巻戻し時間 | 2分30秒以内(7号テープ) |
ワウフラッター | 0.15%以下(19cm/s、RMS) 0.25%以下(9.5cm/s、RMS) |
周波数特性 | 30Hz~20kHz(19cm/s) 30Hz~13kHz(9.5cm/s) |
S/N | 52dB以上(ピークレベル) |
クロストーク | 50dB以上 |
歪率 | 1.8%以下(規定録音・再生にて) |
録音再生、補償特性 | NAB規格 |
音量調整 | 1ch-2ch、3ch-4ch連動 各チャンネル単独調整可能 |
トーンコントロール | Bass/Treble |
入力ジャック | Mic:2系統、0.5mV/10kΩ |
録再コネクター(DIN) | 最大感度15mV、信号源インピーダンス80kΩ 規定出力:0.5V(0~1V可変) 出力インピーダンス:約3.3kΩ |
出力ジャック | 補助出力ジャック:2系統、0~1V可変 出力インピーダンス:約3.3kΩ |
録音レベル指示 | VUメーター(4個) |
使用半導体 | トランジスタ:32個 ダイオード:6個 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 40W(50Hz)、38W(60Hz) |
外形寸法 | 幅380x高さ320x奥行180mm |
重量 | 9.8kg |