VICTOR KD-WR90V
¥84,800(1985年頃)
解説
3時間連続録音も可能なツイン録再クイックリバースカセットデッキ。
リバースメカニズムには回転ヘッド方式のファインアクシス・リバース・システムを搭載しています。
この方式は3層ダイカスト構造となっており、ヘッドをじかにヘッドホルダーに固定せず、間にヘッドクランプを介在させることでヘッドの高さ調整を可能にしています。これによりテープに対するヘッドの相対位置を正確に保つ事ができるため、フォワード、リバース両方向の周波数特性や、なかでも変動しやすい高域特性を常に同等に維持します。
さらに、初期性能を維持する機構や、耐久性に優れたモリブデン(焼付)加工の回転部、ヘッド先端のブレを最小限に抑える2点保持構造、10ミクロン・オーダーの部品精度などによって、高精度メカニズムを実現してます。
テープ反転はテープのガイドピンに埋め込まれた赤外線センサーによって行います。発光素子から出た光が磁気テープとリーダーテープの間のスプライシング・テープに当たった瞬間、受光素子が光の変化を検知して反転指示を行います。
メカニズムには2モーター・フルロジック+メカ駆動用モーターのサイレント・メカを採用しており、メカ駆動用モーターに連動するカムの位置をマイコンで検出することで全てのモードを動かす構造となっています。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーB/C NRを搭載しています。
さらに、ドルビー標準ICを採用することで動作をさらに安定させ、信頼性を向上しています。
マイコン制御によってIメカとIIメカ交互連続録音が可能です。
これにより、プログラム・チューナーとタイマーを組合せC-90テープを2本セットすれば、最大3時間の連続留守録音が可能です。また、1つのソースをIメカとIIメカに同時に録音することもできます。
一方のメカを再生しながら、もう一方でウラ録が行えます。
オートRECミュートを搭載しています。
この機能は、REC状態で押すと約4~5秒の無音スペースを自動的に設定してRECスタンバイとなります。また、ビクター独自の回路設計によってストップ状態からの無録音も設定できます。
オートテープセレクト機構を搭載しています。
ミュージックスキャン(Iメカ前後1曲)を搭載しています。
テープ走行モードがわかる走行インジケーターを搭載しています。
タイマースタート機構を搭載しています。
機種の定格
型式 | クイックリバースカセットデッキ |
ヘッド(デッキI/II共) | 録再:メタパーム 消去:2ギャップフェライトx2 |
モーター(デッキI/II共) | キャプスタン・リール用:電子制御DCモーター リール用:DCモーター メカニズム駆動用:DCモーター |
ワウ・フラッター | ±0.10%(Wpeak、EIAJ) 0.05%(WRMS) |
早巻時間 | 約85秒(C-60) |
周波数特性(EIAJ、-20dB録音) | メタル:30Hz~16kHz ±3dB クローム:30Hz~16kHz ±3dB ノーマル:30Hz~15kHz ±3dB |
周波数範囲(EIAJ、-20dB録音) | メタル:20Hz~18kHz クローム:20Hz~18kHz ノーマル:20Hz~17kHz |
SN比 | NR off:54dB(メタル、EIAJ) 58dB(WTD、1kHz、3%3次高調波歪率、メタル) Dolby B on:1kHzで5dB、5kHz以上で10dB改善 Dolby C on:500Hzで約15dB、1kHz~10kHzで最大20dB向上 MOL改善効果:10kHzで4dB向上 |
歪率 | 0.5%(1kHz、3次高調波歪率、メタルテープ、EIAJ) |
チャンネルセパレーション | 40dB(1kHz、EIAJ) |
クロストーク(EIAJ) | 55dB(250Hz) |
入力端子 | Line:80mV/40kΩ |
出力端子 | Line:0.3V/6kΩ Headphone:0.3mW/8Ω(8Ω~1kΩ適合) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 23W |
最大外形寸法 | 幅340x高さ119x奥行300mm |
重量 | 約5.7kg |