VICTOR KD-VR5
¥64,800(1985年頃)
解説
DD-VR77の技術を継承し、クイック・リバース・システムをベースに、ビクターの技術を再編成しなおし、デジタルソース録音に求められる機構・機能を搭載したカセットデッキ。
ファインアクシス・リバース・システムをベースにした回転方式による録再クイック・リバース・システムを搭載しており、3世代にわたって磨き上げられた回転精度によって、フォワード/リバースの両方向の周波数特性、中でも変動しやすい高域特性を常に同等に維持します。
また、ガイドピンに埋め込んだ赤外線センサーが、磁気テープとリーダーテープの境目のスプライシング・テープを感知して反転を指示することで、わずかな時間で確実な反転動作を実現しています。
メカニズムには、2モーター・フルロジック+メカ駆動用モーターのサイレント・メカを搭載しており、メカ駆動用モーターに連動するカムの位置をマイコンで検出して全てのモードを動かす構造となっています。
録音レベルの最大値をマイコンで表示するデジタルピークを搭載しています。
ピーク・ホールド時間は約2秒で、1dBから11dBまでは1dBステップ、12dB以上はオーバー12dB、0dB以下はアンダー0dBで表示します。
最大値はマイコンにメモリーされ、Callボタンを押すだけで任意に呼び出すことができるので、録音前のレベル・チェック時や、録音後のピーク値確認ができます。
さらに、インプット・レベルに表示されたdB目盛により、録音レベル・セッティングも簡単にできます。
ボタン1つで操作できるオートフェードイン、フェードアウト機能を搭載しています。
FF状態でおよそ14秒間のブランクを見つけると、前の曲の終わりまで戻り、再生状態から約4秒のブランクを作ってストップするブランク・サーチを搭載しています。
また、再生中に約14秒以上のブランクがあった場合、FFスキャンで早送りし、次の曲の頭でストップして再生に入るブランク・スキップを搭載しています。
曲の頭の部分を約10秒間ずつ再生しながらつぎつぎと動作するインデックス・スキャン、約4秒の無音スペースを自動的に設定してRecスタンバイするオートRec
Mute、ミュージックスキャン、メモリーストップ/ブロックリピート、ドルビーB・C
NRシステム、デジタル・ピーク付2色FLメーター、ストップウォッチ付FL電子カウンター、dB表示付入力ボリューム、タイマースタート機構、L/Rマイク端子などを搭載しています。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ | |||||||
ヘッド | コンビネーションx1(録再:SA、消去:2ギャップフェライト) | |||||||
モーター | キャプスタン・リール:電子制御DCモーターx1 FF/REW:DCモーターx1 メカニズム駆動用:DCモーターx1 |
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ワウフラッター | ±0.11% Wpeak(EIAJ) 0.05% WRMS |
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早巻時間 | 約95秒(C-60) | |||||||
周波数特性(-20dB録音、EIAJ) | 30Hz~16kHz ±3dB(ノーマル) 30Hz~17kHz ±3dB(クローム) 30Hz~17kHz ±3dB(メタル) |
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周波数範囲(-20dB録音、EIAJ) | 20Hz~18kHz(ノーマル) 20Hz~19kHz(クローム) 20Hz~19kHz(メタル) |
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SN比 |
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歪率(EIAJ) | 0.5%(メタルテープ、1kHz、3次高調波歪率) | |||||||
チャンネルセパレーション(EIAJ) | 40dB(1kHz) | |||||||
クロストーク(EIAJ) | 55dB(250Hz) | |||||||
入力感度/インピーダンス | ライン:80mV/50kΩ マイク:0.4mV、-68dBV/600Ω~10kΩ |
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出力レベル/インピーダンス | ライン:300mV/5kΩ ヘッドホン:0.3mW/8Ω(適合インピーダンス:8Ω~1kΩ) |
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電源 | AC100V、50Hz/60Hz | |||||||
消費電力 | 22W | |||||||
外形寸法 | 幅435x高さ110x奥行282mm(つまみ、脚含む) | |||||||
重量 | 約4.7kg |