VICTOR KD-71SA
¥72,800(1976年頃)
解説
5点マルチピークインジケーターを搭載したステレオカセットデッキ。
VUメーターでは追従できない瞬間的なパルス入力をとらえるため5点マルチピークインジケーターを搭載しています。
このピークメーターはTTL・ICで制御された5個のLEDで構成されており、-10dB、-5dB、0dB、+3dB、+6dBの各レベルで次々に点灯することで複雑な音楽信号のピークレベルを的確に示すことができます。また、このメーターではピークホールドタイムを設ける事で点灯時間を長くしており、ピークポイントをはっきりと確認できるよう設計されています。
録再ヘッドには、パーマロイコアの前面を高硬度センダスト合金でガードした日本ビクター独自のSA(センアロイ)ヘッドを採用しています。このヘッドは、フェライトヘッドに匹敵する耐摩耗性を持つと共にパーマロイの優れた磁気特性をそのまま維持しています。
ノイズリダクションシステムとして日本ビクター独自のANRS(アンルス:Automatic
Noise Reduction System)を搭載しており、テープヒス等の高域雑音を最大10dB低減しています。さらに、KD-71SAでは回路の大幅なIC化と無接点電子スイッチ化を図ることで、高い信頼性を獲得しています。
録音アンプは、ボリュームの前で基準レベルに対して+48dB、最終段で+18dBのリニアリティを確保しています。また、再生アンプも同様に+20dB以上を確保しています。
これにより大入力に強く歪の少ない音質を得ています。
Mic/DINとLineの入力セレクターを搭載しており、ライン入力はスイッチの切換えによってマイクアンプを通らずに録音回路へ導かれます。これにより、ライン入力のSN比や歪率を改善しています。
メカニズムには前面からテープが見やすい成立直視型を採用しています。さらに、キャプスタン・ベルトを他の駆動系から独立させたID(Independent
Drive)方式とすることで、テイクアップ・ホイールなどからの干渉を防ぎ、ワウ・フラッターを最小限に抑えています。
タイマースタンバイメカニズムを搭載しており、別売タイマーを接続することで留守録音や目覚まし再生が可能です。
取り外しも可能なソフトタッチのエア・ダンプ式カセットドアを採用しています。
各種テープに対応するバイアス・イコライザー独立切換方式を採用しています。
全ての走行モードで働くフルオートストップメカニズムを採用しています。
モニターボリュームを装備しています。
FF、REWから直接プレイへ切換できるランニング・オペレーションが可能です。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
トラック形式 | 4トラック・2チャンネル・ステレオ |
周波数特性 | 20Hz~18kHz(クローム) 20Hz~17kHz(ノーマル) |
SN比 | 56dB(JIS) 52dB(ピークレベルより) ANRS on時:1kHzで5dB、5kHz以上で10dB改善 |
ワウ・フラッター | 0.09%(WRMS) |
クロストーク | 65dB(録・再飽和レベルにて) |
チャンネルセパレーション | 35dB(録・再飽和レベルにて) |
バイアス・消去 | ACバイアス95kHz、AC消去95kHz |
ヘッド | SA(センアロイ)録再ヘッド 消去ヘッド |
モーター | DC電子ガバナー |
早送り・巻戻し時間 | 125秒(C-60にて) |
入力感度/インピーダンス | Mic:0.2mV(最大)/600Ω~10kΩ Line:80mV(最小)/100kΩ |
出力レベル/インピーダンス | Line:0~500mV/0~3kΩ Headphone:0.3mW/8Ω~1kHz |
録再コネクター | DIN端子 最小入力レベル:15mV/10kΩ 出力:ライン出力に準ずる |
使用半導体 | トランジスタ:26個 SCR:2個 IC:7個 ダイオード:42個 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 15W |
外形寸法 | 幅501x高さ158x奥行321mm |
重量 | 8.1kg |