VICTOR KD-2020SA
¥77,800(1978年頃)
解説
KD-75SAと同仕様で別売オプションだったラックハンドルを装備したカセットデッキ。
ビクターのシステムコンポーネントである2020シリーズに対応しています。
録再ヘッドにはSA(センアロイ)ヘッドを採用しています。
センアロイは、最大磁束密度が高い、バルクハウゼンノイズが少ない、キューリー点が高く温度特性が安定している、材料特性の劣化が少ないなどの特徴を持っています。しかし、ブロックコアで使用すると渦電流損失などのヘッド損失が大きいため、高域周波数特性が悪化しやすく、パーマロイ積層ラミネートにするにはあまりにも堅すぎるという問題点もありました。
SAヘッドでは、パーマロイ積層ラミネートコアのテープ摺動面にセンアロイ・チップを高温接着した複合構造とすることでセンアロイのヘッド化を実現し、優れた再生を可能にしています。
消去ヘッドにはダブルギャップフェライトヘッドを採用しています。
5点ピークインジケーターを搭載しており、立ち上がりの鋭いパルス的な入力信号の監視も可能です。
5段階切換式のレコーディングイコライザースイッチを搭載しており、感度調整では不可能な高域周波数特性の補正を行えます。
メカニズム部にはFGサーボDCモーターを用いたIDメカニズムを採用しています。
ノイズリダクションシステムとしてANRSとSuper ANRSを搭載しています。
デュアルボールカセットホルダーとカンガルー式エアダンプカセットドアを搭載しています。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
周波数特性 | 20Hz~18kHz(VX/クローム) |
SN比 | ANRS off:60dBWTD(VXテープ、1kHz、3%THD) ANRS on:1kHzで5dB、5kHz以上で10dB改善 |
ワウ・フラッター | 0.06%(WRMS) |
ヘッド | 録再:SA(センアロイ) 消去:ダブルギャップフェライト |
モーター | FGサーボDCモーター |
外形寸法 | 幅480x高さ161x奥行348mm |
重量 | 8.2kg |