VICTOR JL-B33H
¥32,500(1973年頃)
解説
SRP-B33Mをベースに無共振・無振動化が図られたレコードプレイヤー。
駆動部にはベルトドライブ方式を採用しており、駆動モーターには6極ヒステリシス・シンクロナス・アウターローターモーターを採用することで安定した回転を実現しています。また、ベルトには厳選されたポリウレタン系ベルトを採用しています。
ターンテーブルは精度の高いアルミ合金ダイカスト製を採用しています。
トーンアームにはJL-B55シリーズなどにも使用されたTH(トレーシング・ホールド)方式を採用しています。
TH方式ではアーム可動部の重心を低く設計する事によってアームのトレーシング能力を向上しています。また、正しい位置に戻ろうとする力が働くため、反りのあるレコードなども安定したトレーシングが可能です。
さらに、0.1g目盛で3gまで直読できる加圧機構やオイルダンプ式アームリフター、糸吊り式のインサイドフォースキャンセラーを搭載しています。
トーンアームの共振を防ぐためアームパイプ内にダンピング材をつめたり、強度の大きいインパクト・プレス製ヘッドシェルを採用しています。
出力コードにはCD-4にも対応した低容量コードを採用しています。
カートリッジにはMM型カートリッジを採用しています。
このカートリッジは0.5milダイヤモンド針によるハイ・コンプライアンス・タイプとなっています。また、針先を4DT-1Xに差し替えることでCD-4用にも使用できます。
厚手の金属で作られたモーターボードの裏面に、特殊な防振対策NR(Non-Resonance)コーティングを施すことでSN比を向上しています。
また、キャビネット部には25mm厚の組固め構造を採用することで外部振動を抑えています。
ハウリングを防ぐため、ゴム足には特殊な形状を採用しています。
速度の切換はプッシュボタン式を採用しています。
カートリッジを交換した時に正しい針先の位置を確認するため、サイン・ランプと兼用のオーバーハング指示ポイントが設けられています。
アーム部にはオイルダンプ式のアームリフターが付けられています。
シェルスタンドが2個用意されており、カートリッジを取付けたままのシェルを立てておくことが出来ます。
また、レコードクリーナーなどの小物を収納できるアクセサリースペースを搭載しています。
アクリル製のダストカバーが付属しています。
フリー・ヒンジで好きな角度で使用できるだけでなく、不要な場合には取り外すこともできます。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
<ターンテーブル部> | |
モーター | 6極ヒステリシス・シンクロナス型アウターローターモーター |
駆動方式 | ベルトドライブ方式 |
ターンテーブル | 31cmアルミダイキャスト製 |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
ワウフラッター | 0.06%以下WRMS |
SN比 | 57dB以上 |
<トーンアーム部> | |
アーム型式 | TH方式スタティックバランス型 |
全長 | 307mm |
アーム有効長 | 220mm |
トラッキングエラー | ±2゜ |
オーバーハング | 15mm |
適合カートリッジ重量 | 12g~32g(シェル含む) |
針圧可変範囲 | 0~3g、0.1g間隔 |
<カートリッジ部> | |
型式 | MM型 |
周波数特性 | 10Hz~25kHz |
出力電圧 | 2.0mV(1kHz、50mm/s) |
出力バランス | ±1.0dB以内 |
チャンネルセパレーション | 25dB以上(1kHz) |
インピーダンス | 2.4kΩ |
負荷抵抗 | 47kΩ~100kΩ |
コンプライアンス | 25x10-6cm/dyne |
最適針圧 | 1.5g~2.0g |
針先 | 0.5milダイヤモンド針 |
自重 | 7.0g |
交換針 | 2ch用:DT-33G(¥3,600) CD-4用:4DT-1X、4DT-5X |
<キャビネット部> | |
モーターボード | 鉄板1.6t、特殊防振NRコーティング 黒色レザー塗装仕上げ |
キャビネット | 25mm厚ソリッド材 アルファーローズ仕上げ |
ダストカバー | アクリル・フリーヒンジ |
フット | アイソレーター |
<その他> | |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 13W(50Hz) 12.5W(60Hz) |
外形寸法 | 幅490x高さ195x奥行410mm |
重量 | 10.0kg |