オーディオの足跡

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DD-77の画像
 解説 

3ヘッド&DDシリーズのカセットデッキ。

多機能4デジ・カウンターを搭載しています。
このカウンターではテープの残り時間を分秒単位で表示でき、残り6分までは分単位の表示、残り5分59秒からは自動的に分秒単位に切替ります。この回路はカセットハーフの送り出し側ハブの回転数をマグネットとホール素子で検出する構造となっており、テープ残量の減少につれて早くなるハブの回転数をパルス検出しマイクロコンピューターによって残量時間を計算しています。また、カセットハーフのハブサイズやテープ厚の違いによる残量時間の変動が少なくなるようC46ラージテープ/C46・C60/C90/C120の切替スイッチがついています。メタルテープは他のテープとテープ厚が異なりますが、テープセレクトスイッチをメタルポジションにすることによって自動的に対応できるようになっています。
この機能では、20曲飛び越し選曲やストップウォッチ、メモリースイッチとも連動した4桁電子カウンターとして使用できます。

メカニズム部にはパルスサーボDDモーターを採用しています。
このモーターは、ビクター中央研究所で開発されたホール素子を用いて極性のスイッチングを行うことでブラシレス構造を実現しており、機械的接点を排除しています。また、コアやスロットも取り去ることでコッキングなどの回転ムラやノイズを除去し、小型・高性能化を可能にしています。
サーボ回路にはFGサーボを採用しており、204極102パルスの全周積分型とすることで位置的なズレが起きても検出誤差を抑えています。また、位置的なズレが起きるのを防ぐためFGマグネットはキャプスタンと同軸とし、センターを保持してから着磁する方法となってます。
さらに温度変化や部品のバラツキによって影響を回転精度に影響を与えるのを防ぐため、新開発のマルチプライド・ブリッジドライブ回路を採用しており、ワウ・フラッターを向上させています。さらに、フライホイールには変調ノイズに有効な複合材料を採用し、鳴き(振動)によるフラッター成分や高域の濁りを排除しています。

3ヘッド&DDシリーズのメカニズム部では、3ヘッド用にさらに細部の改良が施されています。
従来の3ヘッドシステムでは消去ヘッドとパッドでテープを挟んでテンションを与えていましたが、新メカニズムではメカニズム自体の構造を検討しなおし、精度を上げることでテンションパッドを排除してます。これにより摩擦による走行不安定要素が無くなり、変調ノイズが改善されています。
また、立ち上がりの良いソレノイド・オペレーションでありながら、メカ動作音を極力抑えており、操作フィーリングの向上も図られています。さらに、ドアまわりには6件もの実用新案を採用しており、遊び(ガタ)を極小に抑えることでカセットハーフがしっかりと固定され、走行性能に好影響を与えています。

フルロジックコントロールを採用しています。

ノイズリダクションシステムとしてドルビーC NRとANRS(ドルビーB NR)を搭載しています。
ドルビーCは回路的には2段スライディング・バンド方式を採用しています。スライディング・バンドとは信号のレベルによって圧縮伸長する周波数を変える方式で、ブリージング(息づき現象)低減に効果があり、しかも有信号時のSN比や過渡特性に優れています。
ノイズリダクション帯域は中高域にわたって従来より広くとってあり、高いノイズ低減効果を得ています。また、高域リニアリティを改善する機能も持っており、高域特性をさらに改善しています。
さらに、新開発のドルビーC標準ICを採用することで、動作がさらに安定し信頼性が向上しています。

再生ヘッドと録音ヘッドのそれぞれにSE(Super Excellence)ヘッドを用いたコンビネーションヘッドを採用しています。
3ヘッド構成としたことで録音ヘッドのギャップ幅は4ミクロンと大きく、再生ヘッドのギャップ幅は1ミクロンと小さくとることができ、高域までよく伸びたフラットな周波数特性を得ることに成功しています。
また、再生ヘッドは誘導に対して有利な2コイルバランス巻きにすると共に、録音ヘッドと再生ヘッドの相互干渉をなくすために両者のギャップ間隔を4.1mmとしており、さらにテープ摺動面に独特のテーパーを入れてヘッドタッチを考慮した形状を工夫することで低域のコンターをより少なくしています。

消去ヘッドには2ギャップフェライトヘッドを採用しています。

ドットマトリックス2色FL12セグメントデジタルピークメーターを搭載しています。

レックミュート機構を搭載しています。

メモリーリピート機構を搭載しています。

ヘッドホン連動の再生ボリュームを搭載しています。

タイマースタンバイ機構を搭載しており、別売タイマーを接続することで留守録音や目覚まし再生が可能です。

リモコン端子を搭載しています。

機種の定格
型式 ステレオカセットデッキ
ヘッド 録音:SE
再生:SE
消去:2ギャップフェライト
モーター キャプスタン用:パルスサーボDDモーター
リール用:DCモーター
ワウ・フラッター ±0.05%(Wpeak、EIAJ)
0.021%(WRMS)
早巻時間 約90秒(C-60)
周波数特性
メタル(EIAJ):

VX/クローム(EIAJ):

ノーマル(EIAJ):
30Hz~18kHz ±3dB(-20dB録音)
30Hz~12.5kHz ±3dB(0dB録音)
30Hz~18kHz ±3dB(-20dB録音)
30Hz~8kHz ±3dB(0dB録音)
30Hz~17kHz ±3dB(-20dB録音)
30Hz~8kHz ±3dB(0dB録音)
周波数範囲(-20dB録音) メタル:20Hz~20kHz
VX/クローム:20Hz~20kHz
ノーマル:20Hz~19kHz
SN比 NR off:55dB(メタル)
     60dB(WTD、1kHz、3%3次高調波歪率、メタル)
ANRS/Dolby B on:1kHzで5dB、5kHz以上で10dB改善
Dolby C on:500Hzで約15dB、1kHz~10kHzで最大20dB向上
        MOL改善効果:10kHzで4dB向上
歪率 0.4%(1kHz、3次高調波歪率、メタルテープ)
チャンネルセパレーション 40dB(1kHz)
クロストーク(EIAJ) 60dB(250Hz)
入力端子 Line:80mV/80kΩ
Mic:0.3mV(-70dBV)/600Ω~10kΩ適合
出力端子 Line:0~500mV/5kΩ
Headphone:0~0.6mW/8Ω(8Ω~1kΩ適合)
リモコン端子 8ピンDINタイプ
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 30W
最大外形寸法 幅435x高さ110x奥行276mm
重量 約6.1kg
別売 ワイヤードリモコン R-50(¥7,000)