VICTOR MC-5E
¥28,000(1981年12月発売)
解説
ダイレクト・カップル方式を採用したMC型カートリッジ。
ダイレクト・カップル方式を採用しており、コイルを針先の近くに設置することで、カンチレバーによる伝送損失を抑えています。
この方式では巻線型コイルは大きく重すぎるため使用できません。そこでMC-5Eでは、LSIの製法を応用して開発されたマイクロコイルを採用しています。このコイルは巻線型コイルの1/100の重さしかなく、針先とコイルの直結化を可能にしています。
従来のダイレクト・カップル方式MC型では、針先からコイルまでの距離は、通常のカートリッジの約1/3の距離にあたる1.5mmの位置となっていましたが、MC-5Eでは距離をさらに2/3縮め1.0mmとしています。
また、コイルを近づけることで実効質量が増加し、特性やトレース性能が劣化するのを防ぐため、振動系全体を再設計しています。
カンチレバーにはベリリウム材を採用しています。このベリリウム・カンチレバーでは強いテーパー加工によって強度を増しつつ計量化を図っており、従来のダイレクト・カップル方式MC型に比べて10%以上の軽量化を実現しています。
新設計の高効率磁気回路によってボディのローマス化を実現しています。
機種の定格
型式 | MC型カートリッジ |
出力電圧 | 0.2mV(1kHz、5cm/sec.) |
出力バランス | 1.0dB以内 |
周波数特性 | 10Hz~40kHz |
チャンネルセパレーション | 25dB(1kHz) |
インピーダンス | 30Ω |
負荷抵抗 | 30Ω以上 |
ダイナミック・コンプライアンス | 8x10-6cm/dyne(100Hz) |
適正針圧 | 1.5±0.2g |
針先 | 0.3x0.7mil楕円針 |
自重 | 7.0g |
針交換 | 販売店またはビクターサービスにて有料交換 |