VICTOR HM-200
¥18,000(1976年頃)
解説
バイノーラル録音がモニターしながら行える世界初のバイノーラル・ヘッドホン・マイク。
人間の耳は、音に対して的確な方向感と距離感を持ってます。これは両方の耳がによって行っており、この効果をバイノーラルといい、両方の耳で聴くという意味に用いられています。人間の耳に到達する音は、頭や耳介があることによって回折や共振を起しており、音圧・位相(時間差)・周波数特性が左右それぞれに異なります。これにより、人間は入射角ごとに変化する差を経験で認識し、上下・左右・前後の方向を判断しています。しかし、ワンピント・マイクやマルチ・マイクでは、このような方向定位の情報は録音が出来ません。
そこで、実際に耳で聞くときと同じ状態の再生音を得るために考えられたのが、人間の耳と同じ位置で録音し再生するダミーヘッド(人口頭)録音です。
HM-200では、ダミーヘッドの使用から発展させ、手軽にバイノーラル録音ができるようにヘッドホン自体にマイクを仕込んだ構造となっています。さらに、人間の耳の形状をしたヘッドホンにマイクを埋め込んだデザインとすることで、ダミーヘッド以上に人間的で自然な聴感を得られる録音を可能にしてます。
ダミーヘッドが付属しており、自分の頭にかけなくてもバイノーラル録音が可能です。
機種の定格
型式 | バイノーラル・ヘッドホン・マイク |
<ヘッドホン部> | |
形式 | 密閉型 |
再生周波数帯域 | 50Hz~10kHz |
インピーダンス | 8Ω |
出力音圧レベル | 96dB |
音量切換 | Low:-10dB |
<マイクロホン部> | |
形式 | エレクトレット・コンデンサー型 |
SN比 | 45dB以上 |
出力インピーダンス | 600Ω |
周波数特性 | 50Hz~10kHz ±10dB |
指向特性 | 無指向性 |
<その他> | |
コード | 2m |
重量 | 460g(コード別) |