VICTOR CF-7070
¥105,000(1977年発売)
解説
合成振幅特性平坦方式を採用したクロスオーバーネットワーク。
合成振幅特性平坦方式では、従来の方式と異なるフィルター配列法を採用すると同時に、フェイズ・シュター回路を挿入することによって全チャンネルの位相変化特性を等しくしています。これにより、合成後の振幅特性(周波数特性)を実現しています。
この方式は、フィルター特性そのものが違っているわけではないため、各ブロックの配列を変えるだけで従来方式にもなり、スピーカーシステムの特性に応じて結果の良い方を選択することができます。
回路には、高GmローノイズFETをまじえた全段ディスクリート構成のICL回路を採用しています。
また、厳選された回路素子や、大容量・ローインピーダンス・広帯域電源を採用することで音質の向上を図っています。
ローパス、ハイパス独立の11点クロスオーバーは、スロープ特性を6dB/octと12dB/octに切換える事が出来ます。
また、スロープ・セレクターのOFFポジションでは全チャンネルの信号が断たれ、PASSポジションではフィルターを通らないフラットな信号が送り出されるように設計されています。
Qセレクターではクロスオーバーの深さを-3dB(Q=0.5)と-3dB(Q=0.7)に切りかえる事ができ、スピーカーの特性に応じて選択できます。
あらかじめ設定されたクロスオーバー周波数以外の周波数が必要な場合は、内部のAUX基板にフィルター用コンデンサーを追加したうえ、AUXスイッチを切換えて使用することができます。
この場合もローパスとハイパスの周波数は独立選択が可能です。
リアパネルには、HPF-LPF、BPF、3Dの3ポジションが選択できるフィルターモードスイッチを搭載しています。
HPF-LPFでは低音用と高音用出力が得られ1台で2ウェイが構成できます。BPFではバンド・パス・フィルターとなって中音用出力が得られ、もう1台をHPF-LPFで組合わせることで3ウェイが構成できます。この方法を用いて3台以上を組合わせて自由にチャンネル数を増やす事ができます。
また、3Dポジションでは3D方式のセンターウーファー用出力が得られ、24、12、6dB/octの3種のスロープ特性を選択することができます。
インプットモードスイッチは、ローパス側とハイパス側の入力端子を内部で接続、あるいは切り離すことができます。また、合成振幅特性平坦方式とするときはSEPATEDの位置で使用します。
別売オプションでラックハンドルがありました。
機種の定格
型式 | クロスオーバーネットワーク |
フィルターモード | LPF-HPF、BPF、3D |
クロスオーバー周波数 | 90、180、300、500、800、1.2k、2k、3.5k、5k、8k、12kHz(LPF、HPF独立選択) AUX(コンデンサー別売)ポジションで任意の周波数設定が可能 |
スロープ特性 | 12dB/oct.、OFF、PASS(LPF、HPF独立選択) 3Dポジション:6dB/oct.、12dB/oct.、24dB/oct. |
Q特性 | 0.7、0.5(LPF、HPF独立選択) |
フェイズ・シフター | 180゜位相回路 |
レベル・コントロール | 0~-30dB連続可変(L/R独立) |
入力 | LPF、HPF、Phase Shifter独立入力端子 入力インピーダンス:330kΩ Input modeスイッチによりLPF、HPF入力は内部接続が可能 |
出力 | 定格出力:2V 最大出力:10V |
出力インピーダンス | Fixed out:270Ω Variable out:2.5kΩ最大 |
挿入損失 | 0~2dB |
周波数特性 | 10Hz~100kHz +0 -1dB |
高調波歪率 | 0.003%(2V出力時) |
SN比 | 105dB(IHF-A、入力ショート、2V出力時) |
消費電力 | 15W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅420x高さ61x奥行348mm |
重量 | 6.0kg |
別売 | ラックハンドル BH-50(¥3,500) |