VICTOR P-2020
¥54,500(1977年頃)
解説
2020シリーズのコントロールアンプ。
MCカートリッジへの対応を図るため、厳選されたローノイズFET6個で構成されたヘッドアンプを搭載しています。
イコライザーアンプ部の初段にはFETを採用しており、FETのメリットを生かすために全段の入力部からコンデンサーを排除したICL回路を採用しています。FETは入力インピーダンスの高い電圧増幅素子であるため、本来電流増幅素子であるトランジスタと違って電圧増幅をストレートに行うことができ、さらに信号源インピーダンスが一定でないような条件でも回路の動作への影響が少なくなっています。
また、動的歪の低減を図ったダブル差動回路や全段A級動作、シールド線を極力減らした設計、電源重視設計など、低歪率、広帯域、安定動作に徹した回路技術を駆使するとともに、ポリプロピレンコンデンサーなどの優れたパーツを採用しています。
トーン回路はイコライザーと同様な回路構成となっています。また、変化特性の正確さを追求するためボリュームのカーブと精度に新しく検討が加えられています。これにより合計21のクリックポイントでうねりの少ない特性が得られています。
また、フラットポジションではトーンスイッチのON/DEFEATのどちらでも周波数特性や歪率が殆ど変化しません。
Phono1入力には3段階のカートリッジロード切換え機能を搭載しています。
テープ入力は3系統設けられており、そのうち1系統はフロントパネルに引き出されています。
ボリュームによる歪の増大や音質劣化を低減するため摺動子をマルチ・コンタクト化しており、電流歪や摺動ノイズを大幅に低減しています。また、これをトーンアンプの前後に配置したツインボリューム構成とすることで小音量時の聴感S/Nも改善しています。
サブソニックフィルターや-20dBミューティングスイッチを搭載しています。
電源ON/OFF時のノイズをカットするリレー式ミューティング回路を搭載しています。
2系統の出力端子を搭載しています。
機種の定格
型式 | コントロールアンプ |
回路方式 | 全信号回路:初段FET・ICL回路 |
入力感度/インピーダンス | Phono1 MM:2.5mV/33kΩ、47kΩ、100kΩ Phono2 MM:2.5mV/47kΩ Phono3 MC:0.15mV/37Ω Aux、Tuner、Tape play1/2/3:200mV/50kΩ以上 |
出力レベル/インピーダンス | Tape rec1/2/3:200mV/600Ω以下 Output1/2:1V(定格)、8V(最大)/600Ω |
Phono最大許容入力(RMS、1kHz) | Phono1/2 MM:200mV(THD0.01%) Phono3 MC:10mV |
高調波歪率(20Hz~20kHz) | Phono1/2 MM:0.008%以下(8V出力) Phono3 MC:0.1%以下(1V出力) Aux:0.005%以下(8V出力) |
周波数特性(1V出力) | Phono1/2 MM:RIAA(20Hz~20kHz) ±0.5dB Phono3 MC:30Hz~20kHz ±0.5dB Aux:10Hz~70kHz +0 -0.5dB |
SN比(IHF-Aネットワーク、1V出力) | Phono1/2 MM:80dB Phono3 MC:66dB Aux:100dB |
サブソニックフィルター | 18Hz、-6dB/oct |
トーンコントロール | Bass:±8dB(100Hz) Treble:±8dB(10kHz) |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力(電気用品取締法) | 14W |
外形寸法 | 幅480x高さ111x奥行342mm |
重量 | 5.8kg |