VICTOR MCA-104
¥41,500(1960年代後半頃?)
解説
プロ用の音質調整装置であるSEAシステムを内蔵したプリメインアンプ。
SEA(Sound Effect Amplifier)システムは、ビクターが日本で最初に開発した音質調整装置で、部屋に合わせた音質補正や、スピーカーに合わせた特性の調節、MM型カートリッジによる共振ピークの低減などを可能にしてます。
SEAシステムは、可聴周波数帯域を60Hz、250Hz、1kHz、5kHz、15kHzの5つに分割し、各周波数をグラフィックコントロールで±10dBで可変可能です。
また、SEA補正前後の音の違いを比較できるSEAディフィート・スイッチを搭載しています。
パワーアンプ部にはトランス類を使わない準コンプリメンタリーITL、OTL回路を採用しています。
これによりドライバー以降が全て直流的に直結となるため、歪の少ない周波数特性を得られています。
低域で30Hz以下のランブル・フィルターを内蔵しています。
これにより、プロ用のカッターゴロ、モーターゴロ、トランジスター・ノイズ等の低域ノイズにより混変調歪を生じ、このノイズにより大振幅音なしで発生する歪を取り除きます。
また高域は30kHz以上をカットして回路動作の安定をはかるとともに音を創るポイントとなっております。
イコライザーには3段直結NF型を採用しています。
プリアンプ部とパワーアンプ部が独立して使用できます。
Phono端子は2系統搭載しています。また、ゲイン調整スイッチによりLow、High切換可能です。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
<パワーアンプ部> | |
出力回路 | 準コンプリメンタリーSEPP-OTL |
出力 | 最大:50W(25W+25W) 実効出力:30W(15W+15W、8Ω) |
高調波歪率 | 12W(片ch):0.1%以下 0.1W(片ch):0.1%以下 |
周波数特性 | 30Hz~30kHz ±1dB 30Hz以下、30kHz以上カットフィルター内蔵 |
インピーダンス | 4Ω~16Ω |
ダンピングファクター | 25(8Ω) |
保護回路 | オーバーカレント・プロテクター(ランプ付) |
<プリアンプ部> | |
イコライザー | 直結3段NF型、RIAA、NAB |
周波数特性 | 20Hz~20kHz ±0.5dB |
出力電圧 (高調波歪率0.1%以下) |
最大:2V 定格出力:1V/3kΩ |
S/N比 | Phono1、2:70dB(クローズドサーキット) Tape Head 19cm/s:70dB(クローズドサーキット) AUX1、2:75dB(オープンサーキット) |
入力感度(定格出力電圧を得る1kHzの入力) | Phono1、2 High:1mV Phono1、2 Low:3mV/50kΩ Tape Head:1mV/300kΩ AUX1、2:120mV/100kΩ Tape Play:120mV/100kΩ MIC:1mV/50kΩ |
録音出力 | Tape Recording |
SEA周波数 | 60、250、1k、5k、15kHz 各±10dB(グラフィックコントロール) SEAディフィート・スイッチ付 |
付属装置 | モード・セレクター テープモニター(ON-OFF) |
<総合> | |
使用半導体 | トランジスタ:20個 ダイオード:2個 |
消費電力 | 最大出力時:65W |
外形寸法 | 幅405x高さ135x奥行310mm |
重量 | 7.0kg |