オーディオの足跡

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JM-S7の画像
 解説 

縦型パワーFETのメリットを強力電源によってフルに生かすことを目標にしたステレオパワーアンプ。

電源部には2次巻線に断面積3.6mm2の平角銅線を使用した大型トロイダルトランスを採用しています。
高性能なオリエントコア(新日鉄Z-8H)とあいまって、従来のトロイダルトランスをしのぐ優れたレギュレーションを得ており、全負荷連続450VA時の電圧低下は3%以内、温度上昇も28℃以下の値となっています。
コンデンサーは22,000μFx2を搭載しており、新しい電極構造と電解駅の改良によって、出力損失を低減し、またペアになる2個の容量偏差を5%以内におさえています。これにより、従来あまり問題にされていなかった容量のバラつきによる出力波形による容量の不ぞろいを、ほぼ完全に解消しています。

増幅部の初段には、定電流用を含めて3個の素子をワン・チップに封入した熱安定の良い複合型FETを採用しており、出力段までNFBループ無いに低域の時定数を持たないDCアンプ構成としています。
DC化にともなって生じやすい電源電圧の変動による動作点の移動、中点ドリフトについては、初段と2段目の差動アンプ部を定電流電源化することで対処しています。また、入力部にはDCショックを防ぐためコンデンサーを使用しています。

出力段は、PチャンネルとNチャンネルの高耐圧縦型パワーFETを2石ずつ厳選して組合わせたピュア・コンプリメンタリー・パラレルプッシュプル回路となっています。
縦型パワーFETは3極管特性であること、超高域でのスイッチング特性が良いことなど、優れた特徴を持っています。ですが、高い周波数で入力インピーダンスが低下する性質を持っているので、JM-S7ではドライブ段にコンプリメンタリー・トランジスタを用いて十分な電流を流し、歪なくドライブできるようにしています。
また、パワーFETには約400mAのアイドル電流を流してAB級動作とし、小音量時にはA級動作のクリアな音質を、大音量時には伸びの良い音質を得ています。

パワーFETは3極管特性のため電源電圧が変動するとそれにつられてバイアス電流が変化します。
これに対処するため、JM-S7では適正バイアスを保つための自動制御回路を備えています。

大型アルミダイキャスト製のヒートシンクを採用しており、最大出力時の温度上昇を30℃以内に抑えています。

短絡負荷などでヒートシンクの温度が85℃を超えた場合に負荷を切離して同時に出力段の電流を制御し、また電源ON/OFF時のポップノイズや中点電位の変動からもスピーカーを保護する3大重点保護回路を搭載しています。

2系統のスピーカーセレクターとヘッドホン端子を搭載しています。

サイドパネルは取り外しが可能です。

機種の定格
型式 ステレオパワーアンプ
回路方式 DC構成全段直結FETピュア・コンプリメンタリー
パラレルプッシュプルOCL
実効出力
(両ch動作、THD 0.1%)
1kHz:147W+147W(4Ω)
    110W+110W(8Ω)
20Hz~20kHz:135W+135W(4Ω)
         100W+100W(8Ω)
全高調波歪率
(8Ω、両ch駆動、1kHz)
0.03%以下(100W出力時)
0.02%以下(50W出力時)
0.03%以下(1W出力時)
混変調歪率(8Ω) 0.10%以下(100W出力時)
0.05%以下(1W出力時)
パワーバンドウィズス(8Ω) 6Hz~50kHz -3dB(両ch動作、THD 0.1%)
周波数特性(8Ω、1W出力時) 7Hz~80kHz +0 -1dB
ダンピングファクター
(8Ω、1W出力時)
80以上(1kHz)
40以上(DC~20kHz)
SN比(入力ショート) 101dB以上
入力感度/インピーダンス 1.0V/47kΩ以上
出力端子 Speaker 1or2:4Ω~16Ω
Speaker 1+2:8Ω~16Ω
Headphones:8Ω~2,000Ω
使用半導体 トランジスタ:44個
縦型FET:8個
IC:2個
ダイオード:39個
ACアウトレット 電源スイッチ非連動:1系統(最大300W)
定格消費電力 230W(電気用品取締法)
外形寸法 幅490x高さ180x奥行240mm
重量 20.0kg