VICTOR JA-S77
¥80,800(1978年頃)
解説
イコライザーとトーンアンプ、パワーアンプの全ブロックをDC化したトライDC構成のプリメインアンプ。
パワーアンプ部は初段にローノイズデュアルFETを用いた完全DCアンプ構成となっています。
また、A級・B級独立2電源方式を採用しており、同相帰還定電流回路付きのダブル差動入力段からプリドライブ段までをA級動作として、ダーリントン接続のB級接続断とは別のトランスから定電圧電源で供給することで、中点電位の安定性を高めています。
パワーアンプ部のDC化に対応してプリアンプ部もDC化されています。
イコライザー部の回路構成は初段FET・ICLダブル差動入力、コレクターフォロワーピュアコンプリメンタリープッシュプル出力となっています。DCドリフト補償回路や過大入力時の異常動作を防ぐラッチアップ防止回路を付加した入念な設計となっています。
また、トーンアンプ部も初段FET差動ICLのDC構成となっており、トーンコントロール素子のON-Defeatにかかわらず周波数特性や歪率が殆ど変化しません。
FET差動ICL回路では、もともとFETがバイポーラトランジスタと違って高入力インピーダンスの電圧増幅素子であるため、入力に接続された機器のインピーダンスにあまり影響されずにストレートな電圧増幅が可能です。
イコライザー部とトーンアンプ部には、特性の良く揃ったFETを同じ温度条件におくために接合したペアFETを採用しています。また、最小限必要な2個のカップリングコンデンサーには百数十種にのぼる試作を経て開発された音質の良いコンデンサーを使用しています。
3段カートリッジロード切換え機能を搭載しています。
発光インジケーター付きのテープモニタースイッチを搭載しています。
前面録再端子を搭載しています。
Phono入力端子には金メッキ処理が施されています。
サブソニック、DC切換え付きのプリメイン分離スイッチを搭載しています。
歪と摺動ノイズの少ない高精度マルチコンタクトボリュームを採用しています。
対数圧縮型大型パワーメーターを搭載しています。
IC化された左右チャンネル独立検出型の高感度3大重点保護回路を搭載しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
<パワーアンプ部> | |
回路方式 | 初段デュアルFETダブル差動DCアンプ |
実効出力 (両ch動作、20Hz~20kHz) |
82W+82W(4Ω、THD0.05%) 70W+70W(8Ω、THD0.02%) |
全高調波歪率 | 0.02%以下(実効出力時、8Ω、20Hz~20kHz) 0.005%(1kHz) |
混変調歪率 | 0.01%以下(実効出力時、8Ω) |
周波数特性 | DC~100kHz +0 -1dB(ダイレクト入力) |
SN比 | 115dB(IHF-Aネットワーク、ショートサーキット) |
<プリアンプ部> | |
回路方式 | 全段DC構成、初段FET差動ICL、A級動作 |
入力感度/インピーダンス | Phono:2.5mV/37、47、100kΩ Tuner、Aux、Tape play:200mV/50kΩ |
RIAA偏差 | 20Hz~20kHz ±0.3dB |
Phono最大許容入力 | 230mV(RMS、1kHz) |
周波数特性(Aux) | 3Hz~100kHz +0 -1dB |
SN比(IHF-Aショートサーキット) | Phono:81dB Aux:105dB |
<電源部、その他> | |
回路方式 | A級・B級独立2電源方式 |
定格消費電力(電気用品取締法) | 182W |
外形寸法 | 幅450x高さ158x奥行338mm |
重量 | 11.5kg |
別売 | ラックハンドル BH-W150(¥4,000) |