VICTOR JA-S75
¥79,800(1976年頃)
解説
AB・LR独立電源方式を採用したプリメインアンプ。
ビクターの電源重視設計を集大成したAB・LR独立電源方式を採用しており、電源電圧の変動から生じる動的干渉歪を低減しています。
JA-S75では電流変化の激しいB級段用とA級段用の電源トランスを独立させた構成を採用しています。これによりプリドライバー段以前のA級増幅回路で電圧変動が一種の入力信号となることで歪み成分として増幅してしまうのを防いでいます。
さらに、JA-S75ではB級増幅段用の電源トランスを左右専用化することで左右チャンネル間の相互干渉も排除しています。
プリアンプ部のイコライザー回路には低雑音FETを配して入力コンデンサーを省いた3段カスコード接続ICL構成を採用しています。これにより入力コンデンサーによる影響を排除するとともに、入力セレクター切換時のポップノイズやダイナミックレンジなどをICL-FET化によって解決しています。
トーンコントロール回路には2段NF型の直結ハイゲインアンプを採用しており、高いリニアリティと低歪率を得ています。
ボリュームには特殊構造のハイ・リニア・ボリュームを採用しています。このボリュームでは均一材質の面積変化によって小音量時の歪と高域特性を改善した抵抗体を採用しています。さらに、トーンコントロール回路の前後2ヶ所に置いたツインボリューム方式によって小音量じの聴感S/Nを大幅に向上させています。
また、主要信号系に最新の低歪率コンデンサーを採用しており、高音質化を図っています。
フロントパネルにはカートリッジ・ロード切換機能を搭載しており、負荷抵抗と容量をそれぞれ3段階にセレクトできます。
ウッドケースは別売りオプションとして販売されました。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
回路方式 | 全段直結ピュアコンプリメンタリーパラレルPP・OCL回路 AB・LR独立電源方式 |
実効出力(両ch動作時) | 80W+80W(8Ω、20Hz~20kHz、THD 0.05%) |
全高調波歪率 | 0.005%(80W、1kHz) |
周波数特性 | 7Hz~80kHz +0 -1dB(1W) |
入力感度/インピーダンス | Phono:2.5mV/33、47、100kΩ/100、220、330pF |
RIAA偏差 | 20Hz~15kHz ±0.3dB |
Phono最大許容入力 | 200mV(RMS、1kHz) |
SN比(IHF-A) | Phono:75dB |
消費電力 | 195W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅420x高さ162x奥行390mm |
重量 | 14.5kg |
別売 | ウッドケース WD-20(¥6,500) |