VICTOR JA-S7
¥69,800(1973年頃)
解説
上級機JA-S9の基本設計をそのまま受け継ぎ、過渡応答の重視や、ピュア・コンOCLパワー、高い耐入力特性、便利なSEAの内臓など、ハイクラスな内容を備えたプリメインアンプ。
穏やかなサイン・ウェーブだけでなく、現実の音楽波形やノイズなど、パルス性の入力にも正確な応答を示すように、主要回路に多量の負帰還をかけた、過渡応答重視の設計となっています。
イコライザー回路には上級機JA-S9型と同じものをそのまま採用しています。
厳選されたパーツによる、PNP-NPN混成3段直結のC-E帰還回路により、フラットな特性を得ています。
パワー部には全段直結ピュア・コンプリメンタリーOCL回路を採用しています。
トーン・コントロールは、5素子SEAシステムを採用しています。
SEAシステムは、一般のトーン・コントロールのように低域と高域だけを可変するのではなく、可聴範囲を5分割し、各ポイントを±12dB自由に可変できるシステムで、部屋やスピーカーの特性に合わせた補正が可能です。
この働きは、切り替えスイッチでテープ・アウトの出力にも働かせる事ができるので、最良のバランスを創ってから録音するなども可能です。
保護回路には、2重の安定回路で、OCL中点電位を安定にまもると共に、万一トランジスタ破壊などの場合でも、ただちにスピーカーを切り離す、応答の速い検出回路が使われています。
ロー/ハイカットフィルターを搭載しています。
4ch最盛時にも使える相互偏差1dB以内の4連ボリュームが採用されており、そのための入出力端子を搭載しています。
また、ラウドネス・コントロールやミューティング回路も4ch使用が可能です。
2系統テープの交互ダビング・スイッチを搭載しています。
また、2系統スピーカーの切り替えと同時接続や、カートリッジ負荷3段切り替え、Phono1/AUX1の入力レベル調整、プリメイン分離端子などを搭載しています。
ウッドケースは別売りです。
機種の定格
型式 | インテグレーテッド・ステレオプリメインアンプ |
回路方式 | パワーアンプ部:全段直結ピュアコンプリメンタリーOCL |
<パワーアンプ部> | |
ミュージックパワー(IHF) | 4Ω:140W(70W+70W) 8Ω:110W(55W+55W、1kHz) |
実効出力(8Ω、1kHz) | 両ch駆動:80W(40W+40W) 片ch駆動:80W(40W+40W) |
20Hz~20kHz(両ch駆動) | 70W(35W+35W) |
高調波歪率(実効出力時、1kHz) | 0.05%(35W) |
混変調歪率(1W出力時) | 0.4% |
パワーバンドウィズス | 20Hz~30kHz(35W、両ch、8Ω、THD 0.25%) |
周波数特性(1W出力時) | 5Hz~450kHz -3dB |
ダンピングファクター(8Ω負荷) | 50 |
負荷インピーダンス | 4Ω~16Ω |
入力感度 | 1V |
<プリアンプ部> | |
周波数特性 | 20Hz~50kHz ±0.5dB |
入力感度/インピーダンス | Phono:2.5mV/47kΩ AUX、Tape Play:200mV/100kΩ |
S/N(IHF/RMS) | Phono:82dB/57dB AUX:101dB/82dB |
イコライザー特性(RIAA偏差) | ±0.5dB |
Phono最大許容入力(P-P/RMS) | 840mV/300mV |
カートリッジ負荷切り替え | 33kΩ、47kΩ、100kΩ |
録音出力レベル | PIN:180mV DIN:30mV |
トーンコントロール | SEA中心周波数:40Hz、250Hz、1kHz、5kHz、15kHz SEA可変範囲:±12dB |
フィルター | Subsonic:18Hz、12dB/oct High:9kHz、-12dB/oct |
ミューティング | -20dB |
ラウドネス(Volume -30dB時) | 50Hz +11dB、1kHz +1.5dB、10kHz +4dB |
<総合> | |
使用半導体 | トランジスタ:32個 ダイオード他:14個 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 90W |
外形寸法 | 幅420x高さ138x奥行333mm |
重量 | 10.5kg |
別売 | ウッドケース WD-1(¥3,400) |