VICTOR AX-S9
¥98,000(1995年頃)
解説
全段差動信号伝送を搭載したインテグレーテッド・アンプ。
デジタル機器やアンプ内部で発生するノイズ成分をキャンセルし、音楽信号のみを増幅できる差動信号伝送に着目し、これを全段に採用しています。
これまで信号電流とノイズ電流とが共通に流れていたグランドラインを、それぞれ音楽信号専用とノイズ専用に分離し、音楽信号ラインを、入力端子からパワーアンプ部にいたるまで、ボリュームコントロールを含めて独立させた全段差動信号伝送回路構成とすることで、よりピュアリティの高い音楽信号伝送を実現しています。
さらに、ハイパワートランジスタを片チャンネル4個使用したパラレルプッシュプルとしながらも定格出力を抑え、クオリティを優先しています。
電流増幅素子であるトランジスタの特性を発揮させるために、ビクター独自のスーパーAをさらに進化したアドバンスト・スーパーAを搭載しています。
電源電流の2次歪の影響を抑えこんでいます。
トランス自体の振動を解消するために、制振能力の高いハイカーボン鋳鉄性のトランスベースを開発し、採用しています。
このトランスベースはトランスの台座として機能するだけでなく、底板を貫通してアンプ本体のフットも兼ねた一体成形としています。
また、トランス自体も音楽信号の経路として磨きをかけ、コア・ボビン・トランスを採用し、コイルに空隙がなく、トランス内部の振動も排除しています。
各入力信号が集中し、信号ラインの複雑化や接点による音質劣化の原因となってきたソースセレクターは、一気に解決するため、全入力リレー切換ソースセレクターを採用しています。
リレー部には金クラッド銀パラジウム接点を採用するとともに完全密封構造化しており、接点による音質劣化と経年変化を追放しています。
相互干渉を徹底的に排除するため、パワーアンプ基板までL/Rセパレート構成のパワーアンプ部。
CDプレイヤーにさかのぼってノイズを追放するCD差動入力端子(切換ボタン付)を搭載しています。
MM/MC対応フォノイコライザーアンプを搭載。
金メッキ・バナナプラグ対応スピーカー端子を搭載。
機種の定格
型式 | インテグレーテッド・アンプ |
定格出力 | 120W+120W(6Ω、20Hz~20kHz、歪率0.01%) 100W+100W(8Ω、20Hz~20kHz、歪率0.007%) |
S/N比 | 100dB(CD、Tuner、AUX、Tape) |
周波数特性 | 5Hz~100000Hz +0dB -3dB |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 190W |
外形寸法 | 幅471x高さ175x奥行447mm |
重量 | 17kg |