VICTOR A-X900
¥79,800(1985年頃)
解説
ダイナミック・スーパーAとGmサーキットを採用したプリメインアンプ。
ビクター独自のGmサーキットを採用しています。
この回路は、ラボラトリーシリーズのプリアンプであるP-L10で使用された電圧-電流変換増幅方式を応用したもので、音量を絞るほどノイズが減るGmボリュームで実使用時のSN比を大幅に改善しています。さらに、小さな音で聴くときには不必要なゲインをGmセレクターでカットしています。
これらの回路によってノイズレベルは従来に比べて最大25dB低減されています。
パワーアンプ部ではGmドライバーを採用しており、パワー段を低インピーダンス駆動することでスピーカーのインピーダンス変動や逆起電力などの影響を抑えこみ、パワートランジスタの歪も低減しています。
さらに、Aクラスアンプの音質とBクラスアンプの高効率の両立を図ったダイナミックスーパーAを採用しており、2つの回路の相乗効果によって入力信号や負荷の状態が激しく変化しても低い歪率で安定にスピーカーをドライブしています。
イコライザーアンプ部にはデュアルスロープDCサーボの極低歪率回路を採用しており、MCカートリッジの性能を引き出しています。また、前後段独立のシャントロック電源によって電源の干渉歪も排除しています。
低インピーダンス電源を採用しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ | ||
<回路方式> | |||
イコライザーアンプ部 | ICL、初段EL-FET MC/MMデュアルスロープDCサーボ・ハイゲインイコライザーアンプ | ||
パワーアンプ部 | Gmサーキット+ダイナミック・スーパーAハイゲインパワーアンプ | ||
電源部 | ダイレクトパワーサプライ(パワー段) | ||
<総合特性> | |||
実効出力(DAD、Tuner、Aux、Tape→SPout) | 150W+150W(20Hz~20kHz、8Ω、THD0.003%) 160W+160W(1kHz、8Ω、THD0.0005%、By JVC Audio Analyze System) |
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全高調波歪率 (実効出力時) |
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混変調歪率 | 0.001%(60Hz:7kHz=4:1、実効出力時、8Ω、DAD、Tuner、Aux、Tape→SPout) | ||
スイッチング歪 | 0 | ||
TIM歪 | 0(LPF fc=100kHz) | ||
出力帯域幅 | 5Hz~60kHz(IHF、両ch動作時、8Ω、THD0.05%、DAD、Tuner、Aux、Tape→SPout) | ||
周波数特性 | 3Hz~100kHz +0 -3dB(DAD、Tuner、Aux、Tape→SPout) | ||
ダンピングファクター | 80(1kHz、8Ω、DAD、Tuner、Aux、Tape→SPout) | ||
入力感度/インピーダンス (1kHz) |
Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:200μV/100Ω DAD、Tuner、Aux、Tape:200mV/39kΩ |
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SN比 | Phono MM:86dB(IHF-Aショートサーキット) 83dB(新IHF) Phono MC:70dB(IHF-Aショートサーキット、250μV入力) 75dB(新IHF) DAD、Tuner、Aux、Tape:110dB(IHF-Aショートサーキット) 92dB(新IHF) |
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トーンコントロール | Bass:±8dB(100Hz) Treble:±8dB(10kHz) |
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サブソニックフィルター | 18Hz、-6dB/oct | ||
ラウドネス | +4dB(100Hz) | ||
ミューティング | -20dB | ||
<イコライザーアンプ部(Phono→Rec out)> | |||
Phono最大許容入力 | Phono MM:150mV(1kHz、THD0.002%) Phono MC:11mV(1kHz、THD0.003%) |
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RIAA偏差 | 20Hz~20kHz ±0.2dB(MM、MC共) | ||
全高調波歪率 | Phono MM:0.002%(7V出力時、20Hz~20kHz) Phono MC:0.008%(7V出力時、20Hz~20kHz) |
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出力電圧/インピーダンス | Rec out:200mV/660Ω | ||
<その他> | |||
電源コンセント | switched:2系統 unswitched:1系統 |
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電源 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
定格消費電力 | 225W(電気用品取締法) | ||
外形寸法 | 幅435x高さ149x奥行406mm | ||
重量 | 12.6kg |