VICTOR Zero-3Fine
¥47,000(1台、1981年10月発売)
解説
デジタルオーディオに対応するため、よりワイドでダイナミックな音楽再生を求めたZeroシリーズの第2世代にあたるスピーカーシステム。
低域には、コーン紙にワイド・ピストニック・モーションの高剛性アルファーコーンを採用した、25cmのアルファーコーンウーファーを搭載しています。
また、Zeroシリーズ独特のシールデッド・エッジ構造を採用しており、エッジから放射される歪成分を重視して、エッジ部をほとんど覆った形になっています。
中域には上級機Zero-5Fine型と同じ技術から生まれたファインセラミック・ダイアフラムを採用した7cmスコーカーを搭載しています。
この振動板は、あらかじめ深絞り成型された耐蝕アルミ基材に、10,000℃におよぶ超高温雰囲気中でファインセラミック粒子を吹きつけ、強固に融着させて作られています。Zero-3Fineではさらに改良が加えられており、ファインセラミック材の徹底的な微粒子化と耐蝕アルミ基材の肉厚削減、口径の縮小等で高域特性を向上しています。
また、新しいモーダル解析法によってダイアフラムの振動モードをコンピュータで立体的に解析し、形状の面からも完成度を高めています。
磁気回路は従来のZero-3型より25%サイズアップしたマグネットを用いて駆動力を高めるとともに、ヨークやプレート材の炭素成分を極少化して純鉄に近い磁気特性を得ており、電流歪を低減しています。
高域には、ポリイミド系耐熱フィルム・ベースに装着された平面ボイスコイルが、空気をダイレクト・ドライブするダイナフラット・リボン・トゥイーターを搭載しています。
Zero-3Fineではホーン設計を一新しており、上下方向にもフレアを付けることで垂直指向特性を向上させています。
エンクロージャーは響きの美しい針葉樹系の高密度パーティクルボードを採用しており、モーダル解析法によって全体の振動モードを立体的にコンピューターで調べ、素材のよさを生かしてます。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:25cmコーン型 中域用:7cmドーム型 高域用:リボン型 |
インピーダンス | 6Ω |
最大入力 | 100W(ミュージックパワー) |
周波数特性 | 35Hz~100,000Hz |
クロスオーバー周波数 | 800Hz、6200Hz |
出力音圧レベル | 91dB/W/m |
レベルコントロール | 定抵抗連続可変型 |
外形寸法 | 幅310x高さ550x奥行321mm |
重量 | 15.0kg |