VICTOR SX-L9
¥630,000(1台、2003年12月発売)
解説
ビクターのスピーカーテクノロジーを結集して開発されたスピーカーシステム。
低域には30cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板には軽量かつ高剛性を実現したSPパルプコーンを採用しており、大入力にも対応しています。また、エッジには発泡ゴムエッジの振動板を採用しています。
磁気回路にはφ50mmのロングボイスコイルと12,000gaussを超えるマグネットを採用しています。
中域には18cmコーン型ミッドレンジを搭載しています。
振動板にはピュア・アルミオブリコーン振動板を採用しており、センターキャップにはオブリキャップを採用しています。センターをオフセットした形状によって素材の共振を分散させています。さらに音質チューニングとして純金プレーティングを施してあります。また、エッジ部には発泡ゴムエッジを採用しています。
この振動板を、リニアリティに優れた独自のスパイダーサスペンションと、アルミダイカストフレームで支えています。
磁気回路にはφ50mmのエッジワイズ巻ボイスコイルと13,000gaussのリング型アルニコマグネットでドライブしています。
高域には2.5cmドーム型ツィーターを搭載しています。
振動板にはダイヤモンドに近い硬度を持つカーボングラファイトを用いたオブリドーム振動板を採用しています。また、ミッドレンジと同様に純金プレーティングが施されており、ミッドレンジとの自然な音のつながりを持たせています。
この振動板を内磁型アルニコマグネットによる15,500gaussの磁気回路でドライブしています。
ネットワーク部には無酸素銅線で巻かれたケイ素コアのコイルやプレーン箔の電解コンデンサを採用しています。これらのパーツはプリント基板ではなくマウンティングボードにしっかりと固定しており、フィルムコンデンサなどは立体配線によって直接接続しています。これにより不要振動による音質劣化を最小限に抑えています。
エンクロージャーにはプレッシャーイコライジングチューブを用いた密閉方式を採用しています。
一般的なバスレフ方式ではポートによる共振周波数の影響が避けられず、正しい音程でベーストーンを構築したいというSX-L9の開発意図とは異なってしまいます。また、一般的な密閉方式では強烈な背圧によって音が張った感じになってしまいます。これらの問題を解消するため、強烈な背圧の直流成分だけを調節するプレッシャーイコライジングチューブを採用しており、さらに吸音材には100%天然ウールを必要最小限だけ使用しています。これにより正確で躍動感ある低音域再生を実現しています。
また、ミッドレンジ用として内部に専用キャビネットを設けることでウーファーの背圧による影響を回避すると共にミッドレンジユニットの特性を最大限発揮しています。
板材は、フロントバッフルに18mm厚MDFを2枚貼り合わせた36mm厚のものを採用し、強度を大幅に高めています。また、天板と側板には15mm厚パーティクルボードを2枚貼り合わせた30mm厚、背面は25mm厚パーティクルボード、底板は15mm厚のパーティクルボードを2枚、10mm厚のMDFを1枚、30mm厚のMDFを2枚貼り合わせた合計100mmとし、強大な内部背圧に対応するとともに共振を分散させて音質向上を図っています。
外観はホワイトシカモアの突板を使用しており、光沢塗装で仕上げられています。
バイワイヤ接続に対応したスピーカー端子を採用しています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・フロア型・防磁設計(JEITA) プレッシャーイコライジングチューブ付き |
ユニット | 低域用:30cmコーン型 中域用:18cmオブリコーン型 高域用:2.5cmオブリドーム型 |
周波数特性 | 25Hz~70kHz |
最低共振周波数 | 45Hz |
定格インピーダンス | 4Ω |
定格入力 | 45W(jIS) |
最大入力 | 180W(JIS) |
出力音圧レベル | 90dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 200Hz、3kHz |
外形寸法 | 幅390x高さ1,078x奥行480mm(ターミナル、サランボード含む) |
重量 | 70.0kg |