
VICTOR SX-L77
¥285,000(1台、2004年12月発売)
解説
SX-L9やSX-LT55 Limitedの開発で得られた技術を投入して開発されたスピーカーシステム。
SX-L77はツィーターを上部の中低域用ウーファーと下部のボトムウーファーで挟んだレイアウトを採用しています。
上下のユニットは外観は同じに見えますが、全く別のユニットとなっています。ウーファーとボトムウーファーは互いの駆動軸が最も近くなる位置で向かい合わせ、その間にツィーターを配すオブリークオムニアレイ配置となっています。
低域には18cmオブリコーン型ウーファーを搭載しており、主に170Hz以下を受け持たせています。
振動板には純金プレーティング・ダイナミックバランスド・アルミオブリコーン振動板を採用しています。オブリコーンではセンターからずらした位置で振動板を駆動することで中高域の特性を改善しています。
駆動部には40mm径のボイスコイルと、磁束密度1,100mT、総磁束825μWbの内磁型アルニコ磁気回路で駆動しています。
オブリークオムニアレイ配置の効果を高めるため、センターキャップも頂点をシフトさせ、純金プレーティングを施した同口径のアルミオブリキャップを採用しています。
中低域には18cmオブリコーン型ユニットを搭載しています。
このユニットはフルレンジ仕様の基本設計となっており、中低域を受け持たせています。振動板にはダイナミックバランスド・アルミオブリコーン振動板を採用しており、駆動点をオフセットすることによって素材の共振を分散させています。さらにこの振動板に純金プレーティングを施しています。
エッジ部には軽量でロスが少ないEPDMフォームラバーエッジを採用しており、ダンパーにはリニアリティに優れたスパイダーサスペンションを採用しています。
駆動部には磁束密度900mT(テスラ)、総磁束1,740μWbの内磁型デュアル・アルニコ磁気回路と50mm径のボイスコイルでドライブしています。
フレームにはアルミダイカストフレームを採用しています。
高域には2.5cmオブリドーム型ツィーターを搭載しています。
振動板にはカーボングラファイト製ドームの頂点をシフトさせたオブリドーム振動板を採用しており、素材のカラーレーションを排除しています。
磁気回路には磁束密度1,550mTの内磁型アルニコ磁気回路を採用しています。
ネットワーク部には厳選したパーツ類を採用しています。
また、クロスオーバー周波数は音楽の中心帯域を重視して決定しており、ウーファーとツィーターそれぞれに最適な減衰特性を設定しています。
エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しています。
SX-L77ではスタガード・バスレフ方式を採用しており、中低域と低域でエンクロージャー内部を分割すると共に、バスレフポートのチューニング周波数をそれぞれずらす事で明瞭な音階と躍動感の実現を図っています。中低域部はポートのチューニング周波数を42Hzに設定した18リットルのキャビネットとし、ボトムウーファー部は29Hzに設定した33リットルのキャビネットとしています。この構造によって相互干渉を防止する二組のバスレフ構造を実現しており、低域はツインウーファードライブとなることで25cm口径のウーファーに相当する働きを実現しています。
板厚はフロントバッフル30mm、天板28mm、側板24mm、底板94mmと厚さを変える事で共振を分散して音質を向上させています。さらに音質を考慮してエンクロージャー内部にもメープルの突板を使用しています。
外観はフロントバッフルにホワイトシカモアの突板、その他の面にメープルの突板を使用しており、光沢塗装で仕上げられています。
バイワイヤリング方式やバイアンプ駆動に対応したスピーカー端子を採用しています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・フロア型・防磁設計(JEITA) |
ユニット | 低域用:18cmオブリコーン型 中低域用:18cmオブリコーン型 高域用:2.5cmオブリドーム型 |
周波数特性 | 28Hz~70kHz |
定格インピーダンス | 6Ω |
出力音圧レベル | 89dB/W/m |
定格入力 | 45W(jIS) |
最大入力 | 180W(JIS) |
クロスオーバー周波数 | 170Hz、3kHz |
外形寸法 | 幅253x高さ1,077x奥行387mm(スピーカーターミナル、フット、サランボード含む) |
重量 | 38.0kg |