
VICTOR JS-8
¥29,800(1台、1974年頃)
解説
JS-500と同一のユニットを採用しながらコンパクト化を図ったスピーカーシステム。
低域には25cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板にはバスレフ方式に最適なコーン紙として、米国ボーレー社製のコーン紙を採用しています。
高域には6cmコーン型ツィーターを搭載しています。
振動板のコーンキャップ部にはベリリウムを加速蒸着しています。この蒸着法はビクターが開発した手法で、ベリリウムの組成を変化させずに成形したコーン紙いにそのまま蒸着させています。この方法ではコーン紙の繊維に蒸着粒子がまわりこみ、コーン紙を音響的に最良の状態に仕上げています。これによりトランジェント特性の著しい向上やワイドな周波数特性を実現しています。
ネットワーク部にはビクターが開発したケイ素鋼板コアによるコイルを採用しており、大入力時のリニアリティを改善しています。
ツィーター周辺部にウレタンフォームによるアコースティックリングを採用しています。
また、バッフルボード全面にもウレタンフォームによる吸音処理が施されており、音の反射による悪影響を排除しています。
エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しています。
JS-8では3本のダクトを用いたマルチダクト・チューニングを採用しており、1本ダクトを使用した場合と比較してダクト内での空洞共振の影響を少なくし、さらにキャビネット内音圧の均一化によって箱鳴きを低減しています。
外装はローズウッドとアイボリーネットを組み合わせたJS-8と、サランネットがブリックレッドカラーのJS-8Rの2種類がありました。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・マルチダクトバスレフ方式・ブックシェルフ型 |
ユニット | 低域用:25cmコーン型 高域用:6cmコーン型 |
周波数特性 | 45Hz~20kHz |
最低共振周波数 | 45Hz |
インピーダンス | 8Ω |
最大入力 | 50W |
出力音圧レベル | 90dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 2kHz |
レベルコントロール | 定抵抗連続可変型 |
外形寸法 | 幅310x高さ580x奥行267mm |
重量 | 11.5kg |