Unison Research SOGNO
価格不明(1997年頃)
解説
全段A級無帰還デュアルモノ構成を採用したプリアンプ。
ソーニョの回路はフォノイコライザーステージとラインアンプステージに大別され、さらに録音再生バッファーステージ及びヘッドホンアンプステージで構成されています。
フォノイコライザー部はMM/MC対応となっており、入力の負荷抵抗は16Ω~47kΩの8段切替が可能です。
回路構成は入力に1/2 ECC83を並列に配し、カソードはセルフバイアスとしています。CR型RIAAイコライザーを介し、後段にも1/2
ECC83を2本を直結してカソードフォロアーとしています。また真空管はフローティングマウントされており、マイクロフォニックを防止しています。
利得は54dBとなっています。
ラインアンプ部の入力段にはECC82によるSRPPを採用しており、後段の真空管への影響を避けるためグリッドバイアスにはリチウムバッテリーを使用しています。終段は1/2
ECC83のカソードフォロアー構成の無帰還A級増幅回路を採用しています。このステージでも真空管はフローティングマウントされており、マイクロフォニックを防止しています。
利得は20dBとなっています。
録音再生バッファーステージには1/2 ECC83カソードフォロアーのA級動作テープ出力2系統を備えています。また、ヘッドホンアンプ部はヘッドホン専用に設計された真空管A級動作アンプを採用しています。
電源部は別筐体を採用しており、AC電源に起因する悪影響をアイソレートしています。
また、増幅段に関わる全ての電源回路には半導体を使用しない回路となっており、チョーク入力型整流回路およびチョークとコンデンサーによる電源フィルターによって構成されています。
内部配線には銀線を使用し、インプットセレクターには窒素封入の金接点リレーを使用しています。
筐体には金属だけでは得られない音のため、伝統の木工技術を採り入れた無垢のウォールナット木部を採用するとともに天板にはセラミックを使用することで振動に対して音楽信号を守る対策が施されています。
機種の定格
型式 | 管球式コントロールアンプ |
入力系統 | CD、AV、Tuner、Aux、Phono |
<フォノイコライザーアンプ部> | |
回路方式 | 三極管接続・純A級無帰還CR型、MM/MC対応 |
フォノ入力インピーダンス | 16、19、23、33、82、100、120、47kΩ |
ゲイン | 54dB |
RIAA偏差 | ±0.1dB |
最大許容入力 | 1V |
S/N比 | 60dB |
出力インピーダンス | 600Ω |
歪率 | 0.5%以下 |
<ラインアンプ部> | |
回路方式 | 三極管接続・純A級無帰還 |
入力インピーダンス | 100kΩ |
ゲイン | 20dB |
周波数特性 | 5Hz~100kHz 0.2dB |
最大許容入力 | 6V |
S/N比 | 90dB |
出力インピーダンス | 600Ω |
歪率 | 0.5%以下 |
<テープ入出力部> | |
回路方式 | 三極管接続・純A級2回路 |
ゲイン | 0dB |
周波数特性 | 5Hz~100kHz |
出力インピーダンス | 600Ω |
歪率 | 0.5%以下 |
<ヘッドホンアンプ部> | |
回路方式 | 専用真空管純A級アンプ |
出力インピーダンス | 8Ω(トランス出力) |
付属機能 | 専用ゲインコントローラー |
<総合> | |
仕上げ | 木部:無垢ウォルナット 天板:セラミック |
使用真空管 | ECC82x4 ECC83x6 6BM8x2 5Y3GTx1 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 120W |
外形寸法 | 本体:幅700x高さ230x奥行470mm 電源部:幅455x高さ140x奥行240mm |
重量 | 本体:27kg 電源部:15kg |